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シャドーの5ゴールを喜ぶ浦和FW原口「これで相手も守りにくくなる」

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[5.26 J1第13節 柏2-6浦和 国立]

 2試合連続で6-2という大勝に、浦和レッズペトロヴィッチ監督は、満足そうだった。「柏はカウンターが得意なチームだと分かっていたので、相手がやりたいサッカーにいかにはまらないかがポイントでした。無理に仕掛けて、相手の得意な形でやらせないこと。われわれがカウンターを仕掛けるということを狙っていた」と、この試合の戦術的意図を説明した。

 試合の立ち上がりにボールを保持したのは、柏レイソルだった。予想外の展開だったと試合後にMF工藤壮人は明かす。「立ち上がり、(浦和が)あまりボールを持ついつものスタイルじゃない感じがしました。逆にこちらに持たせているような印象があった。そこでうちが攻め切れたら良かったのですが、カウンターで、うちのミスを突いてきた。あの精度の高さは、褒めないといけない」。

 柏が4日前にACLの試合を戦っていたため、両チームのコンディションに差があったことは間違いない。だが、同時に浦和の選手たちには、勝つためにやるべきことが分かっていた。前半17分に先制点を挙げたMF原口元気は胸を張る。「スカウティング通りでした。ボールを奪って裏(を狙う)というイメージが、チーム全体にあったから、良いボールも来ていたし、走ることもできた」と、振り返った。

 先制点の場面、MF鈴木啓太からのパスを受けた原口は、FW興梠慎三にボールを預けると、そのまま縦に走り込み、ボールを受けて目の前のDFをかわし、左足でシュートを決めた。その後も速攻が機能した浦和は、前節の鳥栖戦に続き、6得点を挙げた。

「ボールを取った後にやるべきことが整理できていた。向こうは攻撃的なチームだから、ボールを奪ってからの一瞬の隙。そこを狙ったショートカウンターみたいな感じ。取ってすぐ」と、原口は言う。

 直近のリーグ戦4試合で11得点を挙げていたチームの中で、2シャドーのゴールは原口の2点を含む3得点だった。もう少しシャドーの選手に得点が必要だと感じていた原口は、この試合の6点中5点をシャドーでプレーする選手が挙げたことが、今後につながると口にした。「サイドからも、中からも点が取れているから、こういう感じでいけたらいいですね。やっとシャドーが点を取れたので、良かったです。これで相手も守りにくくなると思います」と、ニヤリ。3日後のリーグ戦で対戦するベガルタ仙台手倉森誠監督も、この試合を視察に訪れていたが、どんな対策をとってくるかにも、注目が集まる。

(取材・文 河合拓)

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