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ラスト6分での逆転劇!攻撃サッカーを貫いた川崎Fが磐田を下して優勝に望みをつなぐ

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[10.19 J1第29節 川崎F2-1磐田 等々力]

 J1は19日に各地で第29節を行い、6位川崎フロンターレはホームの等々力陸上競技場に17位ジュビロ磐田を迎えた。優勝に望みを残す川崎FとJ1残留に懸ける磐田との一戦。リーグナンバーワンの得点力を誇る川崎Fが押し込む時間が続くが、後半28分に磐田がFW阿部吉朗のヘディング弾で先制。しかし、同39分にDFジェシ、アディショナルタイムにFW大久保嘉人が得点を挙げ、川崎Fが逆転で勝ち点3を手にした。

 リーグ2連勝中の川崎Fは、3-0で快勝した16日の天皇杯・東京V戦と同じ4-1-4-1の布陣を採用。12日のナビスコ杯・浦和戦で負傷していたMF中村憲剛がベンチ入りをはたした。

 MF山田大記ら多くの怪我人を抱える磐田は、攻守の要であるMFカルリーニョスが出場停止。さらに、セルビア戦、ベラルーシ戦で日本代表に選出されていたDF伊野波雅彦がベンチ外となるなど、背水の陣で臨んだ。

 オープニングシュートを放ったのは磐田。開始1分も経たないうちにFW阿部吉朗が左足を振り抜く。強烈なシュートはGK杉山力裕の正面をつきゴールにはつながらなかったが、幸先のいい立ち上がりを見せた。そのまま磐田がペースをつかむと思われたが、チーム力で勝る川崎Fペースに。前半5分には、MF山本真希のミドルシュートが磐田ゴールを強襲するも、GK八田直樹が鋭い反応を見せ、ピンチを防いだ。

 その後も川崎Fの攻勢は続く。攻撃時にはアンカーのMF稲本潤一がリベロの位置まで下がり、両サイドバックが高いポジションをとって磐田陣内に攻め入る。前半21分には、MFレナト、FW矢島卓郎が次々とシュート放ち波状攻撃を仕掛けるも、ゴールは遠い。

 川崎Fは前半31分、DF登里享平のスルーパスを左サイドで受けたレナトが中央のFW矢島卓郎にクロスを送るも、矢島はわずかにコースを変えただけでボールは流れてしまった。4分後には川崎Fの決定機。ジェシの縦パスをPA内で受けた矢島が、DFを背負いながらも反転してシュートを放ったが、GK八田の攻守に阻まれてしまう。なおも川崎Fのチャンス。同39分、大久保の浮き球のパスをレナトが磐田DFの裏で胸トラップし、フリーでシュートを放ったが、ボールはゴールポスト右へ逸れていった。

 スコアレスのまま折り返したゲームは、後半に入っても川崎Fのペースで進む。ダイレクトパスを駆使したパスワークに、大久保やレナトの個人技でアクセントを加える川崎Fが試合の主導権を握るが、中央を固める磐田守備陣を崩すことができない。守りの時間が多い磐田もカウンターで逆襲に出る。後半22分、阿部が前線でキープし、上がってきたボランチのMF松岡亮輔がパスを受け右足を一閃。しかし、シュートはゴールポストを直撃し、スコアボードを動かすことはできない。

 タッチライン際で中村憲剛が交代の準備を整えた直後に、ついに試合は動く。ボールを奪った磐田は、右サイドのMF小林裕紀に展開すると、ピンポイントクロスを阿部が頭で合わせ、劣勢の磐田が先制する。

 失点直後に中村憲剛を投入した川崎Fは、大久保をFWに上げて猛攻をしかける。川崎Fの怒涛の攻撃が実を結んだのは後半39分。CKのこぼれ球をジェシが押し込み同点に追いつく。試合はまだ終わらない。アディショナルタイムには、中村憲剛のFKから最後は大久保が決めて逆転。川崎Fが磐田を退けて、リーグ3連勝を飾り勝ち点を48に伸ばした。首位攻防戦を制した首位横浜FMとの勝ち点差は、5試合を残して「8」。一方、後半戦12試合でわずか1勝の磐田は、15位甲府との勝ち点差は「10」と変わらないが、最速で次節にJ2降格が決定する。

(取材・文 奥山典幸)

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