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10人の鹿島に競り勝った浦和が2位浮上!!

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[10.19 J1第29節 鹿島1-2浦和 カシマ]

 J1は19日に第29節を行い、4位の鹿島アントラーズと3位の浦和レッズが対戦した。試合は前半20分にDF那須大亮のゴールで先制した浦和が、1点をリードして前半を折り返す。後半15分に鹿島のFWダヴィが立て続けに警告を受けて退場になると、試合は一気に浦和ペースになる。同27分にはFW原口元気が得意のドリブルからシュートを決めて、2点差にリードを広げた。同42分にはFW大迫勇也に1点を返されたが、浦和がリードを守り切り勝ち点3を獲得。勝ち点を54に伸ばし、同時刻に横浜FMに敗れた広島を抜いて2位に浮上した。

 リーグ戦3連勝中の鹿島はDF西大伍が出場停止。前節のF東京戦(4-1)でJリーグデビューを飾ったDF伊東幸敏が2試合連続でスタメン入りしている。一方、リーグ戦3戦無敗(1勝2分)の浦和は天皇杯の山形戦(2-3)から中2日での一戦となったが、同試合からスタメン11人を入れ替えるベストメンバーで試合に臨んでいる。
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 タイトル獲得のためには、負けられない両チーム。前半3分、MF柴崎岳のパスを古巣対戦となったFW興梠慎三がカットする。右サイドに展開するとMF平川忠亮がゴール前のスペースにクロスを放り込む。そこに走り込んだ興梠がヘッドでゴールを狙ったが、ボールはGK曽ヶ端準の正面を突いた。その後も浦和はDF槙野智章が絡む、分厚い攻撃で鹿島を押し込む。

 前半13分には鹿島もチャンスをつくり出す。速攻に出ると右サイドからの折り返しをFW大迫勇也がヘッドで合わせたが、ボールはゴール左に逸れて行った。その直後には浦和が遅攻からシュートに持ち込む。右サイドからMF柏木陽介が折り返したボールを、PA内にフリーで侵入したMF宇賀神友弥が右足で合わせる。決定的な場面だったが、シュートを右に外してしまった。前から厳しいプレッシングを見せる鹿島も、鋭い攻撃を見せる。同17分、大迫が柴崎とのワンツーで抜け出し、右足アウトサイドでダヴィにラストパス。DFと競り合いながらもダヴィがシュートに持ち込んだが、ボールは右サイドネットに外れた。

 一進一退の攻防の中で、浦和が先制点を挙げる。前半20分、右サイドを平川が突破し、CKを獲得する。このCKを柏木がゴール前に入れると、那須がダヴィに競り勝ち、ヘディングシュートをゴールに突き刺した。1点を追いかける鹿島は、同30分にMF遠藤康がドリブルからシュートを打ったが、右に逸れて行った。

 前からプレッシングを掛けて、ロングボールを蹴らせてボールを回収する鹿島だが、攻撃ではなかなか浦和の守備を崩すことができない。前半43分には浦和にアクシデントが起こる。柏木が負傷し、MFマルシオ・リシャルデスと交代する。その後は両チームとも決定機のないまま、浦和が1点をリードして前半を折り返した。

 後半の立ち上がり、浦和が押し込む時間が続く。しかし、鹿島はフィニッシュに持ち込ませずに、速攻に出るタイミングをうかがう。後半8分に大迫からのパスを受けた遠藤がシュートをゴールマウスに飛ばしたが、GK山岸範宏が好セーブで枠外へはじき出す。浦和も同10分に左サイドを宇賀神が突破。シュートせずにゴール前の興梠に折り返す。しかし、興梠もシュートを放てずに、ボールはDFにクリアーされた。

 雨が強くなってくる中で、試合も荒れる。後半13分、ゴール前に迫った鹿島だが、ダヴィがファウルをしたとして松尾一主審は浦和ボールでの試合再開を命じる。この判定に異議を唱えて1枚目のイエローカードを受けたダヴィは、森脇と言い合いをして手を出してしまう。これで両者にイエローカードが出され、2枚目のダヴィは退場となった。

 後半20分に鹿島はMFジュニーニョを下げ、MF野沢拓也を起用する。数的優位の浦和は、同22分に相手のパスミスから興梠がシュートに持ち込んだが、GK曽ヶ端の正面を突き、追加点を挙げることはできなかった。それでも同27分、浦和は原口がバイタルエリアで前を向くと、前方で興梠がスペースをつくる。そこに持ち込んだ原口が右足を振り抜き、ゴールを決めて浦和が追加点を挙げた。

 人数だけでなく、スコアにも余裕のできた浦和は、ボール回しで鹿島の守備を引き出し、速攻という得意の形でチャンスをつくる。後半29分にはマルシオ・リシャルデスからスルーパスが原口に出る。ゴール前に興梠も走り込んでいたが、ここはボールをコントロールできずにシュートまで持ち込めない。

 鹿島は後半32分、伊東をベンチに下げてMF梅鉢貴秀をピッチに送り出す。浦和も同34分には森脇を下げて、DF坪井慶介を起用して試合を締めにかかる。さらに鹿島は同36分に遠藤を下げて、MF本山雅志を投入した。浦和も同38分に最後の交代枠で興梠を下げて、MF関口訓充を1トップに据えた。

 2点を追いかける鹿島は数的不利が響き、なかなかボールを回収できない。それでも後半43分にはハイボールの処理を槙野がミスすると、大迫がこれを逃さずにボレーシュートを決めて1点を返した。しかし、反撃もここまで。鹿島は首位・横浜FMとの勝ち点が6に開き、逆転優勝に向けて痛恨の一敗となった。一方の浦和は2位に浮上した。

(取材・文 河合拓)
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