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横浜FM、6万大観衆の前で優勝決めれず…J1優勝争いは最終節へ

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[11.30 J1第33節 横浜FM0-2新潟 日産ス]

 J1第33節は30日、各地で9試合を行い、首位横浜F・マリノスはホームでアルビレックス新潟と対戦し、0-2で敗れた。勝てば自力での9年ぶり4回目の優勝が決まる一戦だったが、後半27分、後半アディショナルタイムの2失点で2試合ぶりの黒星を喫すると、3位広島が勝ったため、優勝決定は最終節へ持ち越しとなった。

 勝てば自力で優勝が決まる横浜FMは前節・磐田戦(1-0)と同じ先発メンバー。不動のイレブンで大一番に臨んだ。3連勝中の新潟はDF舞行龍ジェームズが出場停止明けで先発復帰。それ以外は前節・仙台戦(1-0)と同じメンバーだった。
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 最終節の前にホームで優勝を決めたい横浜FMと、目の前で優勝させたくない新潟。6万2632人の大観衆が詰めかけた日産スタジアムは“優勝決定戦”にふさわしい雰囲気の中、激しい肉弾戦が繰り広げられた。新潟は前線から激しくプレッシャーをかけ、球際でも厳しく競り合う。前半5分にはMF田中亜土夢の縦パスを受けたMF岡本英也が切り返しから右足を振り抜くが、GKの正面。序盤は新潟が積極的な入りでペースを握った。

 新潟のプレッシャーに苦しむ横浜FMはなかなかチャンスをつくれない。前半9分、MF兵藤慎剛が右サイドから鋭いクロスを入れ、FWマルキーニョスが飛び込んだが、シュートは打ち切れず、GK東口順昭が抑えた。立ち上がりは我慢の時間が続いたが、徐々に新潟のハイプレスにも対応。絶対的な司令塔であるMF中村俊輔のパスから状況を打開していった。

 前半22分、中村が大きなサイドチェンジ。MF齋藤学が左サイドからドリブルで中に切れ込み、PA内右のMF中町公祐へ。中町は左足ダイレクトでシュートを打ったが、GKがキャッチ。同33分には中村の絶妙なスルーパスに左サイドをオーバーラップしてきたDFドゥトラが抜け出し、クロスにフリーのマルキーニョスがヘディングで合わせたが、これもGKの正面を突いた。

 スコアレスで折り返した後半も一進一退の拮抗した展開が続いた。新潟は後半18分、FW田中達也に代えてFW鈴木武蔵を投入。横浜FMは直後の左CKから中村のキックにDF中澤佑二がフリーで飛び込んだが、ヘディングシュートはゴール左に外れた。同24分にはDF小林祐三がゴールほぼ正面の位置でFKを獲得する。キッカーは当然、中村。左足から放たれたキックは壁を越えて枠を捉えていたが、東口が横っ飛びで弾き出し、先制点とはならなかった。

 再三のセットプレーを生かせない横浜FM。すると後半27分、新潟はDF金珍洙の左CKからDF栗原勇蔵がヘディングでクリアしようしたこぼれ球をFW川又堅碁が右足で蹴り込んだ。先制したのは新潟。この時点で2位浦和は鳥栖に0-2とリードを許していたが、3位広島は湘南に1-0でリードしており、このまま他会場が終わるなら今節で横浜FMが優勝を決めるには2点を取って逆転するしかない。追い込まれた横浜FMは同32分、兵藤に代えてFW藤田祥史を投入し、最初のカードを切った。

 必死の反撃を見せる横浜FMは後半45分、中町を下げ、DFファビオを投入してパワープレーに出るが、1点が遠い。すると新潟は後半アディショナルタイムに鈴木がダメ押しの2点目。0-2で敗れた横浜FMはホームで優勝を決めることができず、優勝争いは最終節に持ち越しとなった。

 この日、2位浦和は敗れたが、3位広島が勝って2位に浮上。横浜FMと勝ち点2差で最終節を迎えることになった。12月7日の最終節で横浜FMはアウェーで川崎F、広島はアウェーで鹿島と対戦する。横浜FMは勝てば文句なしで優勝決定。引き分けまたは負けの場合、広島が勝てば逆転で広島の優勝となる。

 また、鹿島がC大阪に勝って横浜FMと勝ち点3差の3位に浮上。優勝の可能性は残ったが、最終節で鹿島が広島に勝ち、横浜FMが負けて勝ち点62で並んでも、現在9差ある得失点差(横浜FM+19、鹿島+10)を逆転しない限り、優勝はできない。浦和、C大阪は優勝の可能性が消滅した。

(取材・文 西山紘平)

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