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9年ぶりの優勝に1勝届かず…横浜FMに勝利の川崎FはACL出場権獲得

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[12.7 J1第34節 川崎F1-0横浜FM 等々力]

 J1は7日に最終節を各地で行い、首位の横浜F・マリノスは敵地で5位の川崎フロンターレと対戦した。勝てば無条件で優勝の決まる横浜FMだったが、後半9分にMFレナトにゴールを決められて、1点を追う展開となる。しかし、DFジェシを中心とした川崎Fの守備を攻略できない。残り3分を切り、現役引退を表明したDF伊藤宏樹を投入した川崎Fが、最後まで1点のリードを守りきり、横浜FMの9年ぶりリーグ制覇を阻止。来季のAFCチャンピオンズリーグ出場権をつかみ取った。

 ACL出場の可能性を残す川崎Fは、1-0で勝利した前節の大分戦と同じスタメンで試合に臨んだ。一方、前節ホーム最終戦の新潟戦を0-2で落とし、優勝を決められなかった横浜FMも、同じメンバーで最終節のキックオフを迎えた。
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 開始2分に横浜FMは、DF小林祐三が敵陣にこぼれたボールを拾って、ミドルシュートを放つ。序盤から積極的に攻め込む横浜FMは、8分にもMF中村俊輔からのロングボールを前線へ抜け出した小林が相手と競り合いながらマイボールにする。対応したDF登里享平に対応されたが、こぼれ球にFWマルキーニョスが詰める。しかし、シュートを打つ前にDFにクリアーされて、得点は挙げられない。

 前半17分には川崎Fも、ここまで27得点を挙げて得点王ランクのトップに立つFW大久保嘉人がPA外からチーム最初のシュートを打ったが、GK榎本哲也の正面に収まった。その後も少しずつ縦パスを入れて、チャンスを広げようとする川崎Fだったが、横浜FMのDF中澤佑二にことごとくカットされる。それでも川崎Fは、同20分には右サイドでFKを獲得。MFレナトが左足でゴールを狙う。ボールはGK榎本の頭上を越えたが、クロスバーを叩いて、得点にはならなかった。

 流れをつかんだ川崎Fは、前半24分に高い位置で中村憲が中澤のパスをカット。そこから分厚い攻撃を見せると、右SB田中裕介が入れた低いクロスを大久保が落として、レナトが左足でシュートする。しかし、これもゴール右に逸れて行った。さらに27分にも川崎は、中村憲が高い位置で中澤にプレッシャーを掛けてボールを奪う。そのままシュートに持ち込んだが、シュートはGK榎本に抑えられた。

 危ない場面の続いた横浜FMも、前半29分には左サイドからMF齋藤学がドリブルで仕掛けてシュートを放ったが、ミートしきれない。同38分には登里が負傷し、ピッチ外で治療を受けている数的優位の状況で、右サイドから小林が上げたクロスを齋藤がヘッドで合わせたが、シュートは左に外れて行った。前半終了間際は、川崎Fがボールを保持。45分にはレナトが中村憲からのパスを受けて左足でシュートを打つなど、見せ場をつくった。しかし、得点は動かないままで前半を折り返している。

 後半の立ち上がり、横浜FMは丁寧なボール回しを見せる。しかし後半4分、中澤がボールを持ったところに大久保がプレスを掛けられると、クリアーボールが大久保に当たり横浜FMゴール前に大きく跳ねる。GK榎本がPA外に飛び出してボールを処理したが、これが中村憲に渡る。中村憲がボールを前の大久保に預けようとしたが、これを中澤がカットし、難を逃れた。

 しかし後半9分、川崎Fは中村憲からのパスを受けた大久保が強烈なシュートをゴールマウスに飛ばす。これをGK榎本が弾くと、こぼれ球をMF大島僚太が回収する。そこから中央のレナトに展開すると、レナトが左足でシュートを突き刺し、川崎Fが先制点を挙げた。

 優勝するためには2点が必要となった横浜FMだが、攻め手が見つからない。後半22分に樋口靖洋監督はMF中町公祐をベンチに下げて、FW藤田祥史を投入する。前線の枚数を増やしたが、クロスボールは川崎FのDF人に跳ね返され、後半23分に中村がこぼれ球を拾って左足から放ったシュートも、GK西部洋平にキャッチされた。

 川崎Fは後半26分に大島をベンチに下げて、FW小林悠を起用する。同28分には、その小林が大久保からのパスを受けて、縦に抜け出す。PA内でドリブルを仕掛け、DFをかわしてシュートしたが、これはGK榎本に防がれた。

 後半30分に横浜FMは、FKを得ると中村俊がゴールを狙ったが、GK西部に止められる。同32分に横浜FMは2枚目の交代枠で兵藤を下げ、MF佐藤優平をピッチに送り出した。同37分には佐藤が藤田にスルーパスを通したが、ジェシのカバーリングが早くシュートを打てない。同39分には自陣からDF栗原勇藏が蹴ったロングボールを受けたFWマルキーニョスが、最終ラインの裏を取ってシュートしたが、左足から放たれたシュートは左サイドネットに外れている。

 残り時間3分を切ったところで、川崎Fはレナトが負傷。引退を表明した伊藤が交代でピッチに送り出された。後半45分に横浜FMもドゥトラを下げて、MF端戸仁を起用して勝利への執念を見せる。試合終盤にはGK榎本も攻め上がったが、後半ロスタイムのマルキーニョスのヘッドも右ポストを叩き、中村俊の直接FKもGK西部に防がれた。最後の最後まで1点が遠かった横浜FMは、ラスト2節で1勝すれば優勝というところで、9年ぶりのタイトルを逃した。


(取材・文 河合拓)▼関連リンク
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