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古巣千葉との一戦に臨んだ熊本FW巻「申し訳ない」

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[3.30 J2第5節 千葉3-0熊本 フクアリ]

 後半15分、ついに男の出番が回ってきた。かつてジェフユナイテッド千葉に在籍して日本代表まで上り詰めたFW巻誠一郎は、初めてロアッソ熊本のユニフォームに身に包んでフクダ電子アリーナのピッチに立った。「特別意識はしなかったですよ」と語ったものの、その後にはこう続けている。「けど、雰囲気は相変わらず良かったですね。ホームチームを後押しするような素晴らしいサポーターがついているので、僕らとしてはやりにくかったです」。

 巻がピッチに送り出されたのは0-2とリードを許している状況だった。千葉に退場者が出て数的優位に立っており、「数的な優位性を出したかった」が思ったようにボールを呼び込めない。「僕が入ったことで『早く中に入れないと』という感じになってしまい、早いタイミングでクロスを入れていたので少しもったいなかったと思います」と話した。その言葉どおり、熊本は長身ストライカーを目掛けてボールを入れるが、数的不利な千葉はゴール中央を固めており、クロスはことごとく相手DFにはね返された。

「試合の流れをうまく変えないとと思っている」と途中出場の役割を語ったが、自らのシュートは1本に抑え込まれ、後半36分には数的不利の千葉にダメ押しゴールを奪われてしまった。「すごく情けない。途中から出てもチームの流れを変えられていない。僕自身も消化不良だったし、うまく機能しなかったというのが正直な感想で申し訳ないと思っています」と唇を噛んだ。

 開幕3戦はスタメンに名を連ねたものの、前節からはベンチに回っている。「良い競争ができていると思っています。ベンチスタートでもチームのためになりたい」と現状を真摯に受け止めているが、「ここ数年はコンスタントに試合に出れていないので、コンスタントに先発で試合に出たいですね。良い準備をするというのを変わらずに続けて先発で出れるように必死に頑張りたい」と続けた。

 先発へのこだわり。プロとしては当然の姿勢であるだけでなく、巻自身も「僕はスタメンから出て相手にプレッシャーをかけて、必死に守備をしながらリズムを作っていくタイプだと思っています」と話している。まずはスタメンの奪還、そして次に狙うのは「ゴールはFWにとっても一番の栄養源になるので、もちろん狙っていきます」と力強く語った。

(取材・文 折戸岳彦)

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