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ようやく訪れた初出場の機会…浦和FW高木「責任を果たさないといけなかった」

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[4.1 J1第1ステージ第5節 浦和 2-1 甲府 埼玉]

 今季リーグ戦初出場。結果を残したい気持ちは当然あった。相手は前半に退場者を出しており、数的優位な状況に立つだけでなく、後半23分に生まれたFW興梠慎三の得点で1点をリードした中、浦和レッズFW高木俊幸はピッチへと送り込まれた。

 苦しい状況が続いている――。今季公式戦出場はACL第2節浦項戦の56分間のみ。リーグ戦では出場がないばかりか、ベンチを外れることも多い。そんな現状に高木は「去年はリーグ戦でこれだけ外れることはなかった。自分の中でも引っかかるものがあるし、悔しさもすごいある」と唇を噛みつつも、「ただ自分と改めて向き合える、こういう時期も大切」と来たるべき出場機会に向けてトレーニングに打ち込んできた。

 そして、ようやくその時が訪れる。1-0とリードして迎えた後半26分、MF梅崎司に代わってピッチに送り込まれると、左アウトサイドの位置から積極的な仕掛けを続けた。そして、同36分には決定機を迎える。

 右サイドから展開されたボールを受けた興梠が、左サイドから走り込む高木へ絶妙なスルーパスを通す。完全にフリーで走り込んだ高木は「コース的にはファーサイドを狙って巻こうと思った」と右足でゴールを狙ったが、ボールは思い描いたコースよりも中央に飛び、左足を伸ばしたGK河田晃兵にストップされてしまった。

 ゴール前でフリーでボールを呼び込めば、シュートを選択するのは当然だろう。しかし、中央にFWズラタンが走り込んでいたこともあり、「フリーな味方がいた中で、自分はシュートを打った。その責任をしっかりゴールという形で果たさないといけなかった」と反省が口を突いた。

 数的優位、リードを奪った状況での出場に「やりたいことのイメージはたくさん持っていたし、これ以上にない良いチャンスだった。今日みたいなチャンスを良い形で生かさないとダメ」と悔しさを滲ませたが、リーグ戦初出場を前向きに捉えている。「今日は出場という形で一歩進歩できたので、次のステップに持っていけるように頑張りたい」。24歳のアタッカーは再びピッチに立つため、そしてこの日残せなかった結果を出すために牙を研ぎ続ける。

(取材・文 折戸岳彦)
●[J1]第1ステージ第5節1日目 スコア速報

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