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PK献上のDFが汚名返上の同点弾、岐阜DF阿部「ミスを取り返したかった」

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[6.8 J2第17節 東京V1-1岐阜 味フィ西]

 自らのミスを取り返した。FC岐阜のDF阿部正紀は東京V戦の前半終了間際、失点につながるPKを献上するも、後半4分に連敗を3でストップさせる同点弾を決めた。これにより、チームは1-1の引き分け。5月15日の岡山戦以来となる勝ち点を手にした。

 CBで先発した阿部だったが、前半終了間際の44分にPA内左でロングボールを受けたFWドウグラス・ヴィエイラを引っ掛けてしまい、ファウルの判定。PKを献上してしまった。これをMF中後雅喜に決められ、失点した。

「自分的には相手を引っ掛けたつもりはなかった。ただその前に裏へのケアができていないところから始まっているので、あれは自分のミス」。試合は0-1で前半を終えた。

 ハーフタイムにはラモス瑠偉監督からは、受身な戦いぶりをみせていたチームへ厳しい檄が飛んだという。指揮官は「雰囲気に飲み込まれていて、自分の雷を落とさないといけない状況だった」といえば、阿部は「“つまらないチームだ”と監督に言われ、みんな後半はやってやろうという思いがあったと思う」と振り返る。

 後半から岐阜はSB鈴木潤に代わり、DF岡根直哉を投入。これに合わせて、阿部がCBからSBへポジションをずらした。するとこれが奏功する。後半4分、左サイドから仕掛けたMF小野悠斗の横パスはDFに引っかかり、こぼれるが拾ったMF田中パウロ淳一が中央へ折り返す。走り込んでいた阿部がシュートを決めた。岐阜はこの得点で東京Vと1-1で引き分けた。

「自分のミスで失点していたので、どうにかチームに貢献してやろうと後半ゲームに入っていた。それがゴールにつながって良かった」と殊勲のDFは安堵の表情。「前がかりにいけばチャンスは来るかなと思っていたら、いいところにこぼれて良かった」と笑顔をみせた。

 SBへポジションが変わったことで、攻撃参加から汚名返上のゴールを狙っていたのかと思いきや、阿部は「特に狙っていなかったですね、そういうプレイヤーじゃないので」と笑った。「ただただ自分のミスを取り返したいという気持ちでやっていたら、こぼれてきた感じです」。強い思いがボールを引き寄せ、岐阜に勝ち点1をもたらした。

(取材・文 片岡涼)

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