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「偶然でなく狙い通り」のプレー示した東京V、平&内田のゴールで初のPO進出

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内田(左)の決勝点に歓喜する東京Vの選手たち

[11.19 J2第42節 東京V2-1徳島 味スタ]

 東京ヴェルディがクラブ史上初のJ1昇格プレーオフ進出を決め、10年ぶりのJ1へ一歩近づいた。ホームで行われた最終節で徳島に2-1の勝利。6位から5位へ順位を上げてのフィニッシュとなった。大一番でゴールを決めたDF平智広は「狙い通りの試合だったかなと思います」と言い、決勝点のMF内田達也は「目標にしていた(PO圏の)ところに入れたので、充実感があります」と笑顔をみせた。

 立ち上がりから徳島に支配されたが、GK柴崎貴広を中心とした堅守で耐え、カウンターでチャンスメイクした。すると前半31分にワンプレーで獲得したFKからゴールは生まれる。最終ラインのDF畠中槙之輔が正確なロングパスを左サイドへ開いた安西へつける。裏へ抜けたFWドウグラス・ヴィエイラがPA手前左で倒され、絶好の位置でFKを獲得した。

 このプレーについて、後方から見守っていた平は「相手が前からプレスをかけてきていた。一個飛ばすボールを入れれば、ああいうチャンスになるのはわかっていました。今週の練習でも、そういう形を繰り返していましたし、あのプレーは偶然ではなく狙い通りだったと思います」と言う。

 安西もこれに同調。「平くんから俺へのパスだと潰されてしまうので、今日は“一個飛ばしたパス”というのをハタ(畠中)が狙ってくれていました。あいつからのボールが今シーズンは少なかった。それがあの場面では上手くきて、ドウグラスがいい形で裏を取ることができた。ああいうシーンは僕らにとってすごく貴重だと思いました」と振り返る。

 ここで得たFK。MF安在和樹が左足で入れたボールをファーサイドの平がしっかり頭で叩き、これが先制点。「あまり(ゴールを)決めたことがないので、どこにいったらいいかわからなかったです」とハニかんだ平だが、ゴール裏のサポーターの前へ駆けつけると次々と抱きついた仲間とともに喜んだ。

 チームはその後に1点を返されたが、後半43分に再びセットプレーから勝ち越しに成功。今度は中盤でいぶし銀の働きをしていた内田が勝負強さをみせた。安在の左CKからゴール正面での畠中のヘディングシュートはポストを叩くが、こぼれを「いいところに転がって来たな」と内田が押し込んだ。これが決勝点。東京Vは2-1の勝利を飾り、POへの切符を手にした。

 26日に熊本開催で行われるPO準決勝ではアビスパ福岡と戦う。勝つしかJ1への道は切り拓けない。今季の対戦成績は、4月29日のアウェー戦で0-1。10月28日のホーム戦では0-0。“三度目の正直”で勝利のみを求める。

 安西が「堅守のチームですし、ウェリントンというエースストライカーがいるので警戒したい。相手は引き分けでもいいという色々な感情があると思うけれど、僕らは勝つだけ。そういう意味では勢いがあるほうが有利なのかなと自分としては思っています」と言えば、内田は「勝たないといけないというのは決まっている。しっかりと準備をして、今年J1に上がるという強い気持ちをもってやっていきたい」と気を引き締めていた。

(取材・文 片岡涼)
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