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“思い出の地”に戻ってきた市船出身ルーキー…成長誓う岡山FW福元友哉「1点決めたら何かが変わる」

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[5.3 J2第12節 千葉1-0岡山 フクアリ]

 約5か月前、高校生だった男が涙を流した場所だった。今季、市立船橋高からファジアーノ岡山に加入したFW福元友哉は、プロサッカー選手として“思い出の地”に戻ってきた。

 昨年11月23日。当時、高校3年生だった福元は市立船橋高の背番号10を背負い、選手権千葉県予選決勝を戦うため、フクダ電子アリーナのピッチに立っていた。しかし、流通経済大柏高のDF関川郁万のタイトな守備に苦しめられ、自身はノーゴールに終わり、チームも1-2でライバルに敗れ、全国への道を閉ざされた。試合後には「何もできなかった。自分が関川に抑え込まれ、仕事ができなかったのが一番の敗因。悔しい思いしかない」と唇を噛んだ。

 あれから、5か月。「良い思い出も、苦い思い出も全部ここにある」という“フクアリ”にプロサッカー選手となって戻ってきた。しかし、ベンチ入りこそしたものの、最後まで出場機会は訪れず、チームは0-1の完封負けを喫した。「選手権とは雰囲気は違ったけど、フクアリは本当に懐かしい。そういう思いもあったので、今日は出たかったですね」とピッチに立てなかったことに悔しさを滲ませた。

 ルーキーながらも、J2第2節栃木戦の後半39分から出場機会を得て早々にJデビュー。「最初はもっと時間がかかると思っていたけど、試合に出させてもらい、プロで通用する部分と通用していない部分がはっきりしてきた。得意な裏への抜け出しはもっと磨きをかけないといけない」。その後も、1分、8分、1分、4分と出場時間こそ短いものの、ピッチに立つを与えられ、課題を見つけながら自身の成長につなげていこうとしている。

 同年代の選手からも、大きな刺激を受けている。チームメイトのDF阿部海大(東福岡高出身)は、開幕先発デビューを飾り、第2節にはプロ初ゴールを記録するなど、強烈なインパクトを残した。そして、この日の対戦相手である千葉には市立船橋高で苦楽をともにしたDF杉山弾斗がおり、杉山も第6節京都戦で先発出場を果たしている。

「海斗より先にゴールは取りたかったけど、残念。同学年であれだけされると、ポジションは違うけど意識する部分はある。弾斗の動向はチェックしていて、あいつがスタメンで出たときはうれしさもあったけど、悔しさもあった。同じ市船出身ということで、良いライバルでもある」

 プロデビューという目標は達成したが、まだまだ発展途上の18歳。「自分が高校3年のときに、なかなか点を取れない時期に1点取れたら波に乗れた部分があった。Jリーグでも1点を決められたら、自分の中で何かが変わるんじゃないかと思っています」。次は初ゴール、そして初先発を目指して日々成長していく。

(取材・文 折戸岳彦)
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