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19歳デビューも合計8失点…3戦目でついに完封! 新潟GK藤田を支えた「先輩たちのアドバイス」

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アルビレックス新潟DF田上大地とGK藤田和輝(写真右)

[7.11 J2第4節 新潟1-0松本 デンカS]

 シーズン再開後からゴールマウスを任されながらも、前節までの2試合で合計8失点。プロデビューを迎えたばかりの19歳にとって、その責任はとても重いものだった。それでも、心の支えとなったのは先輩たちからの言葉。3試合目で手繰り寄せた完封勝利の後、アルビレックス新潟GK藤田和輝は「すごくうれしいです」と率直に喜びを語った。

 小学生の時から新潟の育成組織で過ごしてきた藤田は6月27日、プロ2年目のJ2第2節甲府戦でJリーグデビュー。チームは先制点を奪ったものの、藤田は股抜きシュートなどで3失点を献上し、3-3の引き分けに終わった。また続く第3節金沢戦にも先発したが、ディフレクションによる不運な失点に加えて自身のキックミスからも追加点を招いて5失点。チームは3-5で敗れた。

 攻撃陣が合計6ゴールを奪っていながら、獲得した勝ち点はわずか1。DF田上大地が「個人としても悔しい結果が続いていた」と振り返ったように、GKを中心とする守備陣に責任が向かうのは避けられない状況だった。それでもしかし、アルベルト監督は第4節の松本戦で、藤田を3試合目のピッチに送り出した。

「前節、前々節と自分にとって不甲斐ないプレーでチームに迷惑をかけていた。今日はこうしたまたチャンスをもらえたので、どうしても勝ちたい思いが強かった」。

 そんな19歳がこの日はヒーローになった。序盤こそ危ういキャッチミスも見られたものの、徐々に落ち着きを取り戻すと、終盤の守勢ムードでは「背後のケアは得意なプレー」という広い守備範囲を活かして好セーブを連発。松本の強力なカウンター攻撃を防ぎ切り、再開後初勝利をクリーンシートで飾った。

「ペナルティエリアの背後のケアを意識していた。自信を持ってやれたし、監督からもそういった部分を求められていた。良さを存分に出せた」。この一戦をそう振り返った藤田は地元記者から過去2試合を乗り越えた秘訣を問われ、「いろいろと振り返ったし、先輩たちのアドバイスがすごく心に響いた」と明かした。

 アドバイスの主は、新潟経営大から加入2年目のDF新井直人と、プロ20年目でJリーグ通算382試合出場という圧倒的な実績を持つFW田中達也だったという。

「直人くんにはこういった時こそイチから自分のことを見直せって言われました。私生活も何もかも。試合のためにどう身体を作っていくのか。生活態度を見直したほうがいいと言われた。自分ももう一度見直すべきタイミングだなと思って、それがこういった結果につながったと思う」。

「タツさんからは切り替えは忘れるということじゃなく、どこか心のうちに留めておいて、これがあったから成長があったんだという成長の糧にできるような切り替えをしろと言われました。そのことも自分の中で意識して、この試合に臨みました」。

 そうしてチームに再開後初勝利をもたらした地元出身の19歳にとって、この日から入場が解禁されたサポーターの存在も大きな支えとなっていた。

「より自分の身が引き締まったし、サポーターの皆さんがいることで責任感も感じた。やってやるという気持ちが強くなったので、サポーターの皆さんの前でプレーできたことは自分にとってすごくうれしかったです」。

 とはいえここからの過密日程を思えば、ただただ喜びに浸っている暇はない。15日のアウェー町田戦、19日のホーム山形戦と中3日の3連戦がスタート。先を見据えた藤田は「今日みたいなプレーを毎試合出せることが自分にとってベストだと思う。今日は自分の良さをすごく出せて、こういったプレーができたと思うので、明日からしっかり町田戦に向けて準備していきたい」と意気込んだ。

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