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「若手に譲りたいけど…」9年連続2桁得点の浦和FW興梠がPKを蹴ったワケ

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浦和FW興梠慎三がJ1史上初となる9年連続2桁得点を達成

[12.16 J1第33節 川崎F3-1浦和 等々力]

 勝てない辛さにさいなまれているリーグ終盤の浦和レッズにおいて、唯一ともいえるビッグな楽しみがようやく形になった。エースFWの興梠慎三が前半11分にPKを決めて、今季10得点目。J1で9年連続2桁得点とし、自身の持つJ1記録を更新した。

「ゴールはPKだったが、PKを任されることが多い中で、チームのために確実に仕留められたことについてはうれしい思いはある」

 最終的には1-3の逆転負けを喫して4戦未勝利(1分け3敗)となったため、晴れやかな顔にはなれなかったが、6試合ぶりとなるゴールでファン・サポーターも待ち望んでいた2桁得点継続をかなえ、安どの色も浮かんでいた。

 9年連続の1年目は鹿島に在籍していた12年。13年に浦和に加入してから得点力をさらに上げていったが、最初からPKを任されていたわけではない。

「昔は阿部ちゃん(勇樹)がPKを蹴っていて、若い僕に託してくれた。自分ももう若い人に託そうと思っていて、武田(英寿)に蹴らせようと思った。ただ、そこで彼が外したとしたら、彼に責任がのし掛かる。そう思ってやめた。チームメートがああやって僕にプレゼントをくれたのかなと思う」

 区切りの10得点目はJ1通算157得点目で、中山雅史に並び、J1歴代3位に浮上した。歴代トップである東京V・FW大久保嘉人の185点とはまだ距離があるが、2位につけている千葉FW佐藤寿人の161点は射程内だ。

「浦和レッズでFWとして出ている以上、最低限2桁は取らないといけないと個人的に思っている。最低限のことができたかな、というだけ」。記録に関してはいつも通りそっけない興梠だが、最終戦の抱負を聞かれると口調を強めてこう言った。

「情けない試合が続いている中、一所懸命に応援してくれているファン・サポーターのために、最後は勝利で終えたい。全力で最終節を戦いたい」

 3日後に行われる北海道コンサドーレ札幌との最終戦に気持ちを切り替えた。

(取材・文 矢内由美子)
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