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JFA審判委が「レッドカードが望ましい」事例を解説…FC東京の清水戦は“平手打ち”など2事例該当

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清水FW後藤優介と競り合うFC東京のFWレアンドロ

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は23日、報道陣向けのレフェリーブリーフィングをオンラインで行い、8月7日に行われたJ1第24節FC東京清水エスパルス戦で物議を醸した「著しく不正なプレー」「乱暴な行為」に言及した。委員会の見解では、FC東京に2枚のレッドカードが出されるべきだったと結論づけられた。

 最初の場面は前半アディショナルタイム。清水FWカルリーニョス・ジュニオに対してFC東京のMF東慶悟が足を高く上げてのタックルを繰り出すと、笠原寛貴主審は東にイエローカードを提示した。一方、審判委員会は「総合的に判断するとレッドカードが望ましい」と結論づけた。

 タックルがレッドカード相当の「著しく不正なプレー」にあたるかどうかは、以下の基準で判断される。

・接触の強さ(過剰さ、スピード、距離)
・どの部位でのチャレンジか(足裏など)
・どの部位に接触したか(足首、すね、膝、アキレス腱)
・チャレンジに悪意があったか
・自分の体をコントロールできる状態だったか
・チャレンジの際に脚が伸び切っているか(脚を畳んでいるか)

 審判委員会によると、今回のFC東京のケースでは以下のような評価ができるという。

・相手競技者の正面、3〜4mからアプローチしている。
・身体を投げ出している(ジャンプ、身体がコントロールできない)。
・足を高く上げている。
・膝は少し曲がっている。
・足裏が相手競技者の内腿付近に接触(フルコンタクト)。
・Intensity(強さ)は「高い」までではない。
・スピードはそこまで伴っていない。
・遅れたタイミングで、ボールにプレーできていない

 すべての基準を満たしているわけではないが、カードの色を判定する際には「全部揃ったらレッド、一つでも欠けたらイエローではない」とJリーグレフェリーデべロプマネジャーの東城穣氏。「一つでも大きなものがあればレッドになることもある」といい、それぞれの基準を総合的に判断する必要があると指摘した。

 2つ目の場面は後半29分。ボールを競り合った清水FW後藤優介の顔面にFC東京のFWレアンドロが平手打ちをしたが、この行為は見逃され、カードは提示されなかった。審判委員会は「乱暴な行為」にあたるとしてレッドカード相当だと結論。すなわち、VARの介入によりレッドカードレビューが行われるべき事例だったといえる。

 その他、審判委員会は今月7日に行われたJ2第30節・ロアッソ熊本対栃木SCの事例も紹介。後半28分、栃木DF鈴木海音の熊本MF上村周平に対するタックルはレッドカード相当(判定はイエローカード)だったとした。

(取材・文 竹内達也)
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