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「J1で活躍できるだけの可能性はある」。練習参加で高評価獲得の履正社左SB西坂斗和が徳島入り

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左から履正社の平野直樹監督と徳島内定DF西坂斗和、徳島の谷池洋平強化部長

 徳島ヴォルティスは20日、履正社高(大阪)のDF西坂斗和(3年)の来季加入内定を発表し、大阪府豊中市の同校で記者会見を行った。会見には西坂のほか、徳島の谷池洋平強化部長、履正社の平野直樹監督が出席。西坂は「目標だったプロサッカー選手になれてとても嬉しい。ただ、ここがスタートラインだと思うので、成長して日本を代表する選手になりたい。スピードと運動量が武器なので、攻撃にも守備にも絡める選手になりたい」と意気込みを口にした。

 今年に入ってから心身ともに成長著しく、高い身体能力と豊富な運動量を活かしたプレーを攻守両面で存分に発揮している。今後、飛躍する可能性十分な高体連屈指の左SBが、プロへの一歩を踏み出した。

 STFC.Partidaに所属した中学時代はアタッカーとして活躍したが、「ボールが目の前にあったら、先に触りたくて自然と足が速くなる」(西坂)という俊足と178cmの高さを買われ、履正社入学後は左SBにコンバート。当初は1年生チームでも出番を掴めなかったが、「僕が一番下のレベルでしたが、必死に付いて行ったら、気が付くと自分もちょっと上手くなっていた。個人練習でも結構練習して、基本的なパス&ゴーが上手くなりました」。2年生からは定位置を掴み、昨年8月にはU-17日本代表に選出。世代トップクラスの選手と触れ合い、高みを目指す意識もより強まった。

 今年に入ってからの存在感は、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグWESTの中でも際立っている。「練習からゴールに絡もうと意識していている」というオーバーラップの切れ味は以前にも増しており、スタッフ、チームメイトが「今の西坂は止まらない」と評するほど。スピードを活かした守備対応も堅実さが高まっている。なにより、目を惹くのはプレーでの落ち着きで、「今は結果を出せたり、アシストが出来ているので、自信になっています」と口にする。

 ピッチでの輝きを増す西坂には4つのJクラブが注目していたが、いち早く動いたのは谷池強化部長が「今年春から追いかける中で非常に上下動がアグレッシブで、左足が正確なのが魅力だった」と話す徳島だ。8月上旬には練習参加を経験。「徳島でも自分の良さである突破力や推進力が出せました。ただ、エウシーニョ選手と1対1をした際は、縦へはたまに通用したけど抑えられる回数が多かった。フィジカルがまだ欠けていて大人とは全く違った。これからの課題なので、当たり負けしない身体を作りたい」。また、「分からない事を一つひとつ丁寧に教えてくれた」という1歳上のMF玄理吾など先輩たちが優しく接してくれたことや、練習場を含めた施設の充実ぶりも印象的だったという。

 練習参加では谷池強化部長やスタッフの想定を上回るプレーを披露し、すぐさま獲得オファーが届き、内定が決まった。「ずっと探していた左利きのSBで、数年後にはJ1で活躍できるだけの可能性はある」と谷池強化部長は太鼓判を押す。「まだまだ伸びしろはたくさん。日本に留まらず世界に飛び立って欲しい」と続けるのは平野監督だ。多くの人が西坂の活躍を待ちわびている。あとはポカリスエットスタジアムの左サイドで躍動するだけだ。

(取材・文 森田将義)
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