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CB行徳瑛主将が名古屋、10番MF高橋隆大がG大阪内定!静岡学園で磨いた個性を選手権、プロの世界で

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静岡学園高のCB行徳瑛主将(右)が名古屋グランパス、10番MF高橋隆大(左)がガンバ大阪

 強烈な個性を持つ静学の2人がプロ入り! 4日、静岡学園高(静岡)のCB行徳瑛主将(3年=静岡学園中出身)が名古屋グランパスへ、10番MF高橋隆大(3年=ガンバ大阪ジュニアユース出身)がガンバ大阪へ、それぞれ23年シーズンから新加入することが各クラブから発表された。

 行徳は185cmの長身CB。技巧派軍団・静岡学園で磨かれたテクニックが強みで、空いたスペースへ運ぶドリブルとフィード力は他のCBにはない武器だ。また、プレミアリーグWESTで5得点を挙げるなど、空中戦の強さを攻守で発揮。味方のピンチを救うカバーリングやインターセプト、また苦しい時にチームを救う力を高く評価され、「歴史があってサポーターの方たちも熱がある。雰囲気や環境面だったり、色々な部分で素晴らしいチーム」という名古屋入りを決めた。

 一方の高橋は身長150cm台と小柄だが、ドリブルの突破力は世代最高レベル。独特のタッチ、リズムのドリブルでDFを抜き去り、左右両足から強烈なシュートを決める。得点力が向上した今季はプレミアリーグWESTで6得点。名門校でテクニックを磨き上げ、「人気あって、自分はめちゃくちゃ大好きなクラブ」という“古巣”G大阪からプロ入りすることになった。

 2人は下級生時から先発を務め、年代別日本代表も経験。激しい競争の中で武器を伸ばした2人について、静岡学園の川口修監督は「2人に関してはプロでやっていける、という感触はあります」と背中を押す。

 MF大島僚太(川崎F)やMF旗手怜央(セルティック)ら数々の名手を輩出している静岡学園で磨かれたのは、テクニック。静岡学園の中高6年間掛けて徹底的にテクニック向上を目指してきた行徳は、「求められる基準はどこのチームよりも高いと思いますし、そういった部分は自分の成長にも大きく繋がってきている。静学でやってきた足下の技術、CBで足下あるのは強みだと思いますし、あとヘディングとフィードは武器にしてやっているので見てもらいたいです」という。

 そして、「個というのはずっと大事にしてきているチームであるので、そこで取り組み続けたことを出せなかったらやってきた意味がない。個を出しながら結果としてチームに大きく貢献できるというのが一番だと思う。その良さをどんどん活かして還元できるプレーをしていきたい」と意気込む。

 また、高橋はG大阪ジュニアユース時代に10番を背負い、全日本ユース(U-15)選手権で優勝しているが、静岡学園で意識の変化とともに「根本的に技術は凄く上がったなと思います。ドリブル技術は静学来て良かった。静学で伸びたなと」と言い切る。

 そして、「身長が成長しないの分かっていたので、今身体が出来上がっている中で何を伸ばすのかは正直見えていたので、そこをホンマにひたすら伸ばすしか無いなという覚悟でやってきました」。個を大事にする環境、そしてハイレベルなチームメートたちと妥協することなく練習してきたことが2人をプロの世界へ押し上げた。

 川口監督は「高橋は点を獲れるから面白いと思う。高橋なんかはあのスタイルは世界で勝負してもらいたいし、世界出てもオンリーワンのプレーヤーだとボクは思っているから貫いてやって欲しいし、行徳はそのドリブルで持ち運んだりゲームメークしたりそういう特長のあるCBに成長して欲しい。板倉(滉)選手や冨安(健洋)選手が成功している例がある。あのサイズで世界と戦えるようになったら日本代表にも絡めるし、日本代表も強くなる」と期待。そして、「課題と向き合わないといけない。だけど、自分を見失ってはいけない。自分のストロングを貫いて欲しい」と加えた。

 先輩MF旗手のように世界を見据える2人だが、まずはより個を磨き、課題と向き合いながら成長を続け、Jリーグで結果を残すことに集中。高橋は「試合に出ることが最優先だと思う。試合に1節目から絡めるくらい。(先輩の旗手は)良い見本になっています。越えていかなあかんなと思っています」と力を込め、行徳は「1年目はJリーグの試合に出れるように。チーム(名古屋)で活躍してゆくゆくは中心的な存在になっていきたい」と誓った。

 今季、静岡学園は2人の活躍もあり、昇格したプレミアリーグWESTで上位争い。その一方、昨季全国3位のインターハイは静岡県予選準決勝で敗れて全国出場を逃している。J1クラブへの加入を決めた2人は、選手権で輝き、恩返しすることを目指している。

 行徳と高橋は同じタイミングでプロ入りするチームメートを信頼。行徳は「隆大はプレーで違いを見せているので、自分も隆大以上に周りと違いを出さないと、と色々な面で刺激をくれている。(凄さは)ドリブルですね。圧倒的にどんな相手が来ても剥がせる力がある。そこは絶対的な武器があるというのは凄いところだなと思います」と説明し、高橋は「(行徳を)一番信頼している。アイツが守ってオレが決めるというのが、正直今年の静学やと思っている。求心力があるし、アイツがヘディングでだいぶ競り勝ってくれている。そこでチームとして行徳のところへ蹴ってくれれば勝ってくれるという信頼感がある」と口にした。

 日本一を獲得し、プロの世界へ。行徳は「まずは静学で選手権プレミアと戦い切って、全国獲って恩返ししたい。周りからの見られ方や注目は変わってきて、色々な見られ方をする中で自分と隆大中心にやっていかないといけない。結果も含めてピッチ内外で引っ張って、日本一へ導けるような振る舞いや行動をしていかないといけない」と語る。

 また、高橋は「(選手権は)1、2年の時、違う負けをして怖さを知っていて、やるしかないという覚悟はだいぶ固まりつつあるので、それをチームに広げて、1人じゃ勝てないので共有していければ、(国立、日本一へ)行ける力はあると思う。オレだけやなくてみんな輝ける力を持っている。それを出せる代だと思いますし、やっていきたい。選手権は自分のためというのもあるんですけれども、もう半分は恩返し。静学のサッカーを披露してみんなに良い景色を見せてあげたい。自分の力で連れて行ってあげたい」。昨年度の悔しさも知る2人が高校年代で違いを示し、より注目度を高めてそれぞれの進路へ進む。

(取材・文 吉田太郎)
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