Jリーグは21日、FC琉球に対しての懲罰処分を発表した。

　Jリーグによると、琉球の対象事案は2022シーズン終了後の長期オフ期間中だった2022年12月3日朝に発生した。

　琉球のトップチームスタッフAは、前夜の午後11時まで飲酒し、自家用車で車中泊したのち、翌朝午前8時前に自宅に向かって運転中、別の車とミラーが接触する物損事故を起こした。スタッフAは交差点でUターンして事故現場に戻ったが、相手車両はすでに走り去っていたので一旦帰宅。帰宅後に警察に事故連絡をしたところ、相手方も用事を済ませて事故届をしたとのことで事故現場に戻るよう指示を受け、アルコールが残っている認識は無かったため、そのまま自身の運転で事故現場に戻って事故処理を行った。その際に対応した警察官から促されてアルコール呼気検査を実施した結果、基準値を超過していたことから酒気帯び運転として検挙された。

　Jリーグは琉球にけん責処分を下した。すでにクラブは本件行為の重大性を鑑みて、スタッフAに制裁金を科すほか一定の懲罰を科しているというが、Jリーグは「社会全体で問題視されている本件行為を起こさせたクラブの管理監督責任は重大であり、またクラブのみならずJリーグの社会的信用を毀損するものであることから、今後の再発防止を徹底すべく、けん責を科すこととする」と処分を与えたという。

　クラブからスタッフAへの処分は、契約内容に沿った最高金額の制裁金と、業務委託契約の次年度非更新だという。なお、すでに今年度からスタッフAは関連会社での業務委託契約に切り替わっており、定期的な社会奉仕活動に義務付けて、本人の更生に向けて指導をしているという。また、クラブはフロント職員・トップチーム選手・スタッフ・アカデミースタッフを対象に交通安全講習会やコンプライアンス教育を徹底して行っている。

　琉球の倉林啓士郎代表取締役は、「本件行為は、法令違反であるとともに社会的に大きく問題視されている酒気帯び運転という事案であり、本件行為を防ぐことができなかったクラブの管理監督責任は重大だと認識しております。今回の事態を厳粛に受けとめ、フロント職員・選手・スタッフへの教育・啓発を再徹底し、コンプライアンス遵守に係る意識を高めて、継続的に再発防止策に取り組んでまいります」とコメントしている。

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