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浦和GK鈴木彩艶「マンチェスター・Uからオファーがあったのは事実」考え抜いて決断したベルギー移籍

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浦和レッズGK鈴木彩艶

[8.6 J1第22節 浦和 0-0 横浜FM 埼玉]

 ベルギーのシントトロイデンに期限付き移籍することが決まった浦和レッズGK鈴木彩艶が6日、J1第22節・横浜FM戦後に報道陣の取材に応じ、「一歩一歩確実にステップアップしていくことが大事。まずは試合に出続けること、そして夢であるプレミアリーグで活躍するところを目指して頑張っていきたい」と初の海外挑戦への意気込みを語った。

 2002年生まれの鈴木は小学生時代に浦和アカデミーに加入して以降、トップチームに至るまで11年間クラブ一筋でプレーしてきた生え抜きGK。世代別代表でも若くしてエリートコースを歩み、2017年秋のU-17W杯で当時15歳で飛び級選出、19年春には16歳でU-20W杯メンバー入りと常に世代のトップランナーを担ってきた。また19年秋のU-17W杯では正守護神を務め、待望の世界デビューを果たすと、オランダを破るなどの快進撃でベスト16入りに大きく貢献。21年夏には18歳にして東京五輪のU-24日本代表メンバー入りし、欧州のトップクラブからも注目を集めていた。

 鈴木はこの日、今回の移籍ウインドーではイングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドからもオファーを受けていたことを初めて公の場で明かし、それでもなおベルギー移籍を決断した理由を語った。

「マンチェスター・ユナイテッドからオファーがあったのは事実としてあるけど、本当にこの決断は非常に迷った。サッカー選手として、一人の人としても、何も考えなかったらもちろんマンチェスター・ユナイテッドに行きたいと思うけど、その先にどういう未来が待っているかを時間をかけて考えて、この決断になった」

 21年にJ1リーグ戦6試合、昨季は同2試合に出場していたが、今季はGK西川周作の高い壁に阻まれてJ1リーグ戦出場なし。まずは試合経験を積んでいくことを最優先に新天地を決めたという。

「今の自分が日本で試合に出られていないという中、マンチェスター・ユナイテッドはオナナ選手を獲得していて、その中で自分が出られるレベルにあるかを考えた時、自分でもなかなか難しいなと評価した。でもどちらも素晴らしいクラブなのは間違いない。今は行けなくても、必ず数年後には戻っていきたい。着実にステップアップするために決断した」

 加えて鈴木は「一部報道でパリ五輪のために移籍するというのを目にしたが、それは違う。パリ五輪があるから移籍するわけではない」と断言。「僕自身はA代表を目指しているし、W杯を目指しているし、その先に世界一というところを目指している」と述べ、自身の長いキャリアを踏まえた決断だったことを強調した。

 まずは初の海外挑戦に向け、そしていずれプレミアリーグで活躍するため、「全てがしっかりとできるキーパー」を理想像に掲げる。

「レベルの高いプレミアリーグでは空中戦も足下の技術、シュートへの対応の技術もどれを見ても全てレベルが高い。1試合の中でどれだけハイパフォーマンスで出せるかが非常に大事だと思う」

 GKはフィールドプレーヤーに比べて異国での挑戦が困難だとされるポジション。それでも「いろいろな選手が海外で活躍している中で、キーパーは難しい存在だと思う。現状、自分としては日本で試合に出られていない中でオファーをいただいたので、これから厳しい戦いが待っていると思う」と現実を見つめつつ、「まだGKとしてプレミアリーグで活躍した日本人はいないので、最初の一人の選手になれるように着実に一歩一歩進んでいきたい」と野心を口にした。

 成功のための一つの秘訣は語学力。鈴木は近年、英会話にも積極的に取り組み、試合中の指示は問題ないほどに上達してきているという。「語学はこういう時のためにしっかりと勉強してきたつもり。最初はもちろん話せなかったけど、今は試合の中では自信を持ってできるし、海外に実際に行ったらもっともっと成長していけると思う」と自信も示した。

 この日の試合後にはセレモニーで挨拶する機会も設けられ、サポーターから「お前が守るのはゴールと若いレッズの未来だ、翔け彩艶」との横断幕で送り出された。

「11年間という濃い時間の中でたくさんの人々に支えられて自分自身ができたと思う。この経験をアカデミーの選手にもつなげていかないといけないし、自分がどんな活躍をするかでそういった選手の未来にも関わってくる。これからいろいろな人たちの思いを背負って戦っていきたい」。プレミアリーグという自身の夢、世界一という日本代表の夢、そして浦和レッズの未来。将来を期待され続けてきた20歳の守護神はさまざまなものを背負い、異国での挑戦に向かう。

(取材・文 竹内達也)
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