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“王者”神戸&横浜FMを撃破も…「2年前より力はあった」横浜FCが1年でJ2降格

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J2降格が決まった横浜FC

[12.3 J1第34節 鹿島 2-1 横浜FC カシマ]

 J1最下位で最終節を迎えた横浜FCは、逆転残留のために大量得点勝利が必要な状況だったが、鹿島アントラーズに1-2で敗れ、1年でのJ2降格が決まった。試合を通じて14本のシュートを放つなど、上位チームに対して積極的な攻撃を展開したが、シーズンを通して課題だった決定力がこの日も浮き彫りとなった。

 昨季、就任1年目でJ1復帰に導いた四方田修平監督は試合後会見で「得失点差も含めて一つでも多く積み上げていかないといけない試合で、ベースは変わらない中でもいつもより攻撃的に戦っていこうという中、試合開始から90分ピッチで出してくれたと思っている。いつもよりチャンスは作れたが、前がかりになってピンチも作られた。最後まで選手たちは身体を張ってくれたので、監督として誇りに思っている」と振り返った。

 その上で「J1シーズンを戦ってみて力が足りなかったというのと、選手の力を発揮させてあげられなかった。もっと上げられたんじゃないかと思う。整理して、振り返っていきたい」と沈痛な表情でコメント。「J1残留を目標にやってきたので、非常に申し訳なく思うし、まだまだチームとして強くならなければいけないと強く感じた」とJ1との力の差を認めた。

 昨季のJ2リーグを2位でフィニッシュし、2年ぶりにJ1の舞台に帰ってきたシーズン。序盤の10試合では3分7敗とスタートダッシュには失敗したが、3バックに移行した第11節で新潟を破ると、その後は上々の成績をキープ。8月には第22節で王者のヴィッセル神戸、第25節で2位の横浜F・マリノスを破るなど、強敵相手に爪痕を残した試合もあった。

 それでも終盤戦で柏レイソル、湘南ベルマーレといった残留争いのライバルに勝ち点を落とし、最後は17位の柏との勝ち点差4で最下位フィニッシュ。来季からJ1クラブが20に増加することが決まっており、今季は降格枠1という異例のシーズンだったが、唯一のJ2降格チームとなることが決まった。

 四方田監督は「チームとしても個人としてもまだまだ経験が足りなかったと序盤戦に感じたし、個人としてももっと高めていかないといけないと感じた。あとは個人で埋まらない部分をもっと組織で埋めていかないといけない。そういったところが最終的にはこういう結果になった」と敗因を語った。

 一方、前回降格時の21年は残留圏の16位と勝ち点10差の最下位20位で終えており、クラブとしては健闘を見せた。在籍3年目のDF岩武克弥は「間違いなく2年前より力はあったし、やっている選手たちも残留できるという思いでやっていた」と手応えも語った。

 それでも突きつけられた最下位での降格という結果。岩武は「でもここで残留できないと1からのチームづくりになってしまう。積み上げという部分で絶対に残りたいと思っていた」と振り返り、試合後に送られたサポーターの拍手に目を潤ませながら「自分たちの力不足。もっとやれるところはどこだったんだろうと考えないといけない」と肩を落とした。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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