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尚志高卒のルーキー、京都MF安齋悠人がJデビューの5分後にJ初ゴール!!

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京都サンガF.C.のルーキーMF安齋悠人

[2.25 J1第1節 柏 1-1 京都 三協F柏]

 2023年12月31日、第102回全国高校サッカー選手権大会で優勝候補の一角に挙げられながら初戦で涙をのんだ尚志高(福島)。攻撃の柱としてチームを牽引していたMF安齋悠人は、「こんな悔しい気持ちはもうしたくないので、また来年からみんなに追い越されないようにもっと練習して、強くなって、プロのステージで頑張りたいです」と雪辱を誓ったーー。

 それから2か月、J1の開幕戦で京都サンガF.C.のベンチメンバーに入った安齋は、1点を追う後半44分に昨季のチーム得点王であるFW豊川雄太に代わってピッチに送り込まれた。

 左のウイングに入ったルーキーは、積極的な姿勢を見せる。投入直後には、タッチライン際でボールを受け取ると1対2の状況ながら縦にドリブルを仕掛ける。これはゴールラインを割ってしまったが、再び左サイドでボールを受けると、今度は中央に切り込んでいく。柏DFに倒されてFKを獲得すると、MF福岡慎平のクロスをFW原大智が右足でとらえる。柏のGK松本健太が反応を見せたが、こぼれ球を豪快に蹴り込んだのは安齋だった。

「常にこぼれ球を狙うっていうのは、自主練で取り組んできた」と狙いを持っていたことを明かした安齋は、「最後ブロックに2人来たんですけど、ねじ込んでやろうっていう気持ちで」とプロ初ゴールを振り返った

 Jデビューからわずか5分後の初ゴール。「彼が一番いいなと思うのは、大人の世界に入っても物おじせず、何回とられても前に仕掛けていける選手。指導でつくれないところを持ち合わせている選手。あそこで点をとれるのは人にはない能力」と起用に踏み切ったチョウ・キジェ監督もその才能を認める。

 高卒ルーキーを開幕戦からメンバーに入れるのは、その証だ。しかし、開幕戦前の練習では、指揮官からプロとしての自覚を問われたという。

「注意力が散漫になっている感じがあった。本当は高校卒業してすぐの選手に言うのはどうかと思ったんですけど、選ばれなかった選手は結婚して子どもがいて家族がいて、1日1日が勝負の選手を差し置いて選んだということは、そういう責任を背負ってプレーすべき」(チョウ監督)

「できていないわけではない」と強調しつつ、あえて厳しいメッセージを送った指揮官。それを受け取った安齋は、「ワンプレーワンプレーの自覚と責任を持って。年齢は関係ないので、自分が出場してもまわりの選手が『こいつならやってくれる』と思ってもらえるようなプレーを常に心がけていきたい」と気持ちを新たにしたという。

「点を取ったんですけど全然プレーが目立ってないので。次のホーム戦をしっかり勝ち点3取れるようにチーム一丸となってがんばりたいです」。来月高校卒業を控える18歳は、早くも次戦を見据えていた。

(取材・文 奥山典幸)

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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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