beacon

危険タックルでACL出場停止中の横浜FM松原健「チャンスを与えてもらった」J1国立開幕でAT劇的決勝弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

劇的決勝ゴールのDF松原健

[2.25 J1第1節 東京V 1-2 横浜FM 国立]

 国立開幕の華々しい歴史を再現する一撃は、後半終了間際に劇的な形で生まれた。横浜F・マリノスは1-1で迎えた後半アディショナルタイム3分、ペナルティエリア右を攻め込むと、FWヤン・マテウスのパスを受けたDF松原健が左足一閃。強烈なシュートをファーポスト脇に突き刺し、31年前のJリーグ開幕戦と同じ2-1の逆転勝利に導く決勝点となった。

「うまく自分のところにボールが戻ってきて、左足にいい位置で置けた。クロスを上げるより打って終わったほうが思った。うまくふかさないで枠を狙うのはもちろん、枠に行けば何かが起きると狙ったゴールだった」

 そんな劇的なゴールだったが、松原にとっては名誉挽回を期する中での禊(みそぎ)の一発でもあった。

「チームの皆さん、ファン・サポーターの皆さんに迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っていた。プレーできるチャンスを与えてもらったので、結果を出してやっていくしかないと思っている」

 試合後、そう振り返ったのは14日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16第1戦のバンコク・ユナイテッド戦の出来事。松原は2-2で迎えた後半終了間際、危険なスライディングタックルで一発退場処分を下され、後味の悪い結末をもたらしていた。試合後には自身の公式X(@27matsuken27)で3度にわたって真摯な謝罪の投稿をしたが、サポーターからも失望の返信が届いていた。

 その後、アジアサッカー連盟(AFC)からは2試合の出場停止処分が下され、ホームで行われた第2戦を欠場。J1開幕戦の出場停止は免れたが、ACL準々決勝第1戦にも及ぶ出場停止の最中とあり、ピッチに立つからには信頼を取り戻す振る舞いをする必要があった。

 そうした中での大仕事だった。「2024年のリーグが開幕する中、皆さん楽しみにしていたゲームだと思う。内容としては不十分なことがたくさんあるけど、こういう試合を取りこぼさないのが大事になる。この1点があったから、勝ち点3を取れたから優勝できたと言ってもらえるように、もっともっと自分も含めてチーム一丸となってやっていきたい」。頼れる副主将にふさわしい姿でチームを導いていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2024シーズンJリーグ特集
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP