川崎Fエリソンは公式戦4試合5得点…ハット目前のPKキッカーをあえて譲った「親からの教え」
[3.1 J1第2節 川崎F 4-5 磐田 U等々力]
出場した公式戦全4試合で得点を続ける。川崎フロンターレのFWエリソンは2得点で打ち合いに参加。「いかなるときでも、負けるというのは気持ちのいいものではない」と悔しさをにじませた。
開幕節に続き、序盤に先制ゴールを奪われた。今節ではさらに前半18分、29分と連続失点。0-3という絶望的な状況に陥った。「今日も少し集中力を欠いた状態のままゲームを始めてしまった」(エリソン)。追いかける展開で魅せたのは新加入のブラジル人FW。36分に自らプレスを仕掛けてボールを奪うと、敵陣でこぼれたボールを鋭いボレーで叩き込み、チーム1点目を挙げた。
1-3で前半を折り返すと、後半10分に再びエリソン。右CKをヘディングシュートで合わせてゴールネットを揺らし、2-3と1点差に縮める。同14分には左サイドからの攻撃で、こぼれ球をエリソンがシュートで押し込むが、GK川島永嗣のセーブに遭う。それでもFWマルシーニョが決め切り、3-3と同点に追いついた。
終盤のPKで再び勝ち越されるが、その5分後に川崎FもPKで4-4と同点が続く。しかし、後半アディショナルタイムにも与えたPKを決められ、4-5で屈した。
ACLの敗退には涙も流していたエリソン。勝利には強いこだわりをのぞかせる。「タイトルを取るチームは、開幕からしっかり勝ち続けなければいけない。そういった意味でも今日の敗戦はすごく残念」。その一方で、自身の得点には謙虚な姿勢が垣間見える。チームの勝利を最優先に考えており、「チームとしてすばらしいチームだと思う。もっとチームが団結して、家族のように一緒に戦わなければいけない」とチームの絆を強調した。
その考えが表れたのが、後半40分のチーム4点目。FW山田新がPKを獲得した場面だ。ベンチからはキッカーがエリソンと伝えられていたが、山田はボールを譲らない。「自分で取ったPKだったので当然というか、自分で蹴ろうと思った」(山田)。その姿を見たエリソンから思わぬ一言を受けたという。山田は「ちょっと駄々をこねていたら…蹴っていいよと言われた」と振り返った。
決めればハットトリックを達成する場面だった。エリソンは譲った心境を語る。
「言われたとおり、ハットトリックできそうなチャンスはあった。ただ、常に謙虚な気持ちでいなければいけないと親から教えを受けている。自分もエゴを強く持っているほうではない。もし彼があのように自信を持って蹴りたいと言ってくれば、それは快く彼に受け渡す。そこに関しては全然問題なくPKを蹴ってもらった。一番重要なことは、自分たちがしっかりと団結して助け合いながら戦うというところ。常に自分たちのグループは一人ひとりがサポートしなければいけない」
打ち合いに屈したが、公式戦で出場した4試合すべてで得点を決め、5ゴールを記録。エリソンは自身の状態を「100%に近い状態」と胸を張る。そのなかでも親の教えから慢心はない。「お母さんからよく言われていることは、人というのは常に100%ではないということ。常に99.5%というところで、何かを吸収しながら、改善しながら人生は進んでいかなければいけない」。連続ゴールは謙虚で貪欲な姿勢から。ブラジル人FWの活躍はまだまだ始まったばかりなのかもしれない。
(取材・文 石川祐介)
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出場した公式戦全4試合で得点を続ける。川崎フロンターレのFWエリソンは2得点で打ち合いに参加。「いかなるときでも、負けるというのは気持ちのいいものではない」と悔しさをにじませた。
開幕節に続き、序盤に先制ゴールを奪われた。今節ではさらに前半18分、29分と連続失点。0-3という絶望的な状況に陥った。「今日も少し集中力を欠いた状態のままゲームを始めてしまった」(エリソン)。追いかける展開で魅せたのは新加入のブラジル人FW。36分に自らプレスを仕掛けてボールを奪うと、敵陣でこぼれたボールを鋭いボレーで叩き込み、チーム1点目を挙げた。
1-3で前半を折り返すと、後半10分に再びエリソン。右CKをヘディングシュートで合わせてゴールネットを揺らし、2-3と1点差に縮める。同14分には左サイドからの攻撃で、こぼれ球をエリソンがシュートで押し込むが、GK川島永嗣のセーブに遭う。それでもFWマルシーニョが決め切り、3-3と同点に追いついた。
終盤のPKで再び勝ち越されるが、その5分後に川崎FもPKで4-4と同点が続く。しかし、後半アディショナルタイムにも与えたPKを決められ、4-5で屈した。
ACLの敗退には涙も流していたエリソン。勝利には強いこだわりをのぞかせる。「タイトルを取るチームは、開幕からしっかり勝ち続けなければいけない。そういった意味でも今日の敗戦はすごく残念」。その一方で、自身の得点には謙虚な姿勢が垣間見える。チームの勝利を最優先に考えており、「チームとしてすばらしいチームだと思う。もっとチームが団結して、家族のように一緒に戦わなければいけない」とチームの絆を強調した。
その考えが表れたのが、後半40分のチーム4点目。FW山田新がPKを獲得した場面だ。ベンチからはキッカーがエリソンと伝えられていたが、山田はボールを譲らない。「自分で取ったPKだったので当然というか、自分で蹴ろうと思った」(山田)。その姿を見たエリソンから思わぬ一言を受けたという。山田は「ちょっと駄々をこねていたら…蹴っていいよと言われた」と振り返った。
決めればハットトリックを達成する場面だった。エリソンは譲った心境を語る。
「言われたとおり、ハットトリックできそうなチャンスはあった。ただ、常に謙虚な気持ちでいなければいけないと親から教えを受けている。自分もエゴを強く持っているほうではない。もし彼があのように自信を持って蹴りたいと言ってくれば、それは快く彼に受け渡す。そこに関しては全然問題なくPKを蹴ってもらった。一番重要なことは、自分たちがしっかりと団結して助け合いながら戦うというところ。常に自分たちのグループは一人ひとりがサポートしなければいけない」
打ち合いに屈したが、公式戦で出場した4試合すべてで得点を決め、5ゴールを記録。エリソンは自身の状態を「100%に近い状態」と胸を張る。そのなかでも親の教えから慢心はない。「お母さんからよく言われていることは、人というのは常に100%ではないということ。常に99.5%というところで、何かを吸収しながら、改善しながら人生は進んでいかなければいけない」。連続ゴールは謙虚で貪欲な姿勢から。ブラジル人FWの活躍はまだまだ始まったばかりなのかもしれない。
(取材・文 石川祐介)
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