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現役慶大生の19歳FW塩貝健人が“内定先”横浜FMでJ1デビュー!! ファーストプレーから闘志全開「次はもうちょっとだけ抑えて」

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慶應義塾大FW塩貝健人(写真中央)が横浜FMでJデビュー

[4.10 J1第3節延期分 横浜FM 2-0 G大阪 日産ス]

 半月前に19歳の誕生日を迎えたばかりの慶應義塾大FW塩貝健人(2年=國學院久我山高)が10日、横浜F・マリノスの特別指定選手としてJ1デビューを果たした。

 塩貝は今季開幕前、横浜FMに2027年から加入することが内定。そのまま特別指定選手としてトップチームに登録されていた。この日はチームにとって前節・神戸戦(◯2-1)から中2日、6連戦の4試合目という苦しいタイミング。右ウイングで後半21分から途中出場し、活力を加えるパフォーマンスを発揮した。

 まずは投入直後の後半24分、ファーストプレーからサポーターの心を掴んだ。敵陣右サイドでボールをキープするG大阪のMF黒川圭介に対し、背中からプレッシングをかけ、ファウル判定が下されても闘志全開で応戦。J1で実績を持つ選手に真っ向から食ってかかる姿には、ホーム側スタンドから驚きまじりの大歓声が飛んだ。

「見ている人を驚かせたいと思ってピッチに入ったけど、ファーストプレーはちょっと熱くなりすぎた。でもあれくらいやってもいいのかなとも思っている。次はもうちょっとだけ抑えてやれれば」(塩貝)

 試合後、苦笑い気味に振り返った塩貝だが、ファーストプレーで激しく行くのは信条。「結構そこは意識していて、いつもファーストプレーはファウル気味でも人に強く行くというのをやっていた」。プレーが落ち着いたところで黒川には謝ったというが、プロの厳しい舞台で戦っていく覚悟を印象づけるワンプレーだった。

 さらに後半38分には、果敢なプレーで大歓声を巻き起こした。自身を起点とした攻撃からボールが左サイドに送られると、自慢の突破力を見せたFW宮市亮のクロスに対し、ハーフボレー気味に左足を一閃。ボールはうまくミートできずに左へ流れたが、あわや1点というシーンを作ってみせた。

 試合後、塩貝自身は「決めないとダメだった」と悔いを述べ、自身のパフォーマンスにも「ちょっと焦ってボールを簡単に蹴ってしまった。もっとボールを収めてから1枚、2枚剥がせる力が焦らなければあったと思う。気持ちの面で焦りがあったので納得いっていない」と満足はしてなかった。

 また徐々に落ち着きを見せていたビルドアップへの関与も「ちょっと周りが見えなくなって、後ろ向きで受けるシーンが多かった。あそこも自分の武器であって、あそこで前を向けたらもっと怖いと思う。もっと周りを見てしっかりボールを止めるのをやってからも、自分はドリブルが武器なのでかわしてシュートまで持っていきたい」とさらに高い基準を求めた。

 それでもチームは2-0で勝利し、約30分間のプレータイムで勝ち点3に貢献。本拠地・日産スタジアムでの勝利後に恒例となっている円陣の声出しも担当し、実り大きな第一歩となった。

「まずはファンの心を掴みたいし、応援される人間になりたい。そういうところで(サポーターが)自分を鼓舞してくれたし、その声援を結果で返したかった。得点という形で返せなかったので次にチャンスが来たら絶対に決めたい」。試合後には次に訪れるであろう出場機会への決意も示した。

 今後はいったん慶應義塾大に戻り、関東大学リーグ2部での戦いを続けていく予定。「このピッチで、この応援の中でやれるのはサッカー選手として恵まれていること。自分は慶應の選手なのでこの経験を還元したり、部活ではプロにふさわしくないプレーはできなくなるので、もう一回気を引き締めてやっていければ」。実り大きな30分間を経て、さらなる飛躍を誓った。

(取材・文 竹内達也)

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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