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鹿島、内田弾!大分に勝利で優勝に前進

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 J1第32節は23日、各地で9試合が行われた。大分・九石ドームでは勝ち点52のナビスコ杯覇者・大分トリニータと、前年リーグ王者で勝ち点54の首位・鹿島アントラーズとの一戦が行われた。 大分が勝てば首位浮上の可能性とともに他チームの動向次第ではさらに混迷を極める可能性もあったこの大一番は、鹿島が内田篤人のゴールで1-0勝利。最小得点ながら王者の貫録を見せつけた試合運びで、勝ち点を57とした鹿島が一気に優勝に近づいた。この日勝って2位浮上の名古屋との勝ち点差は2。

 ホームの大分は3-5-2の布陣。GK下川誠吾、DF上本大海、深谷友基、森重真人、MFボランチ にエジミウソンと藤田義明、右MFに小林亮、左MFに鈴木慎吾、トップ下に金崎夢生、FW高松大樹と ウェズレイ。
 対する鹿島は4-4-2。GK曽ヶ端準、DF右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、新井場徹、 MF中後雅喜、青木剛、攻撃的なMFに本山雅志、野沢拓也、FWマルキーニョス、興梠慎三で試合に臨んだ。

 試合は序盤から中盤を支配する鹿島がペースを握っていく。3分には野沢のスルーパスを受けた興梠が左サイド深い位置からクロスをあげるが、ゴール正面で深谷にクリアされる。10分には本山のスルーパスにPA内左サイドで反応した興梠がシュートを放っていくが、これはオフサイドの判定。22分にもPA内右サイドで興梠がボールを受けて突破を図るが、上本が水際でクリア。37分には本山の強烈なミドルシュートが大分ゴールを襲うが、右ポストに当たりゴールはならなかった。

 一方の大分はエジミウソンのボール奪取から金崎にボールをつないでいくが、前線のウェズレイ、高松にボールが入らない。それでも44分にはウェズレイのFKから上本がバックヘッドを放ったが、ゴール上にそれる。鹿島は大分の攻撃の起点に巧みにプレスをかけ、中盤を支配。しかしそうした鹿島の攻撃を、これまでリーグ最少失点と堅守を誇る大分DF陣が激しい守備で防ぎきり、前半は0-0で折り返す。

 前半と変わらず「攻める鹿島、守る大分」でスタートを切った後半10分、ゲームが動く。右サイドをオーバーラップした 内田が右クロス。これを中央でマルキーニョスが落としたボールを興梠がシュート。跳ね返りを大分のエジミウソンがクリアするが、このボールが内田の正面へ。これを内田がニアにきっちり決めて、鹿島が内田の今季初ゴールで先制に成功する。

 1点を追う展開となった大分は後半31分、DFの上本に代えてMF家長昭博を投入。小林を右SBに、鈴木を左SBに代えて4バックとし、トップ下に金崎と家長の2枚を据えた大分はようやく攻撃のリズムを作っていく。後半37分にはこの日最大のチャンスが訪れる。家長の左ミドルシュートをGK曽ヶ端がはじいたボールを正面のウェズレイが至近距離からシュート。これを再び曽ヶ端にセーブされ、さらにウェズレイが押し込もうとするが、鹿島守備陣に返されゴールならず。その後も3万1744人も集まった観衆の声援を後押しに攻撃の姿勢を見せる大分だったが、チャンスの場面でパスミスをしてしまい、これ以上の好機を作れず。結局この後は鹿島が大分コーナーサイドなどでボールキープで時間をつぶし、後半5分のロスタイムも消化。「王者のサッカー」を見せつけた鹿島が勝ち点3を奪取し、優勝に向けて大きな一歩を踏み出した。

「技術的にもチームとしても完敗だった」と金崎が認めるほど差があった。鹿島との勝ち点差が5に開いた大分は、優勝の可能性がほぼ消滅。シャムスカ監督は「今日の結果でタイトル争いは難しくなった。ACL出場権を獲得するリーグ3位以内を目標に残りの2試合を頑張りたい」と無念さをかみしめて、新たな目標を語った。
 大分が勝てば大混戦となる優勝争い。王者鹿島はその大事な試合で、気迫も強さも相手を上回った。

<写真説明>後半10分、決勝点を決めた内田(右)を興梠らが祝福

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