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仙台、新システム不発。湘南に0-2で敗れる

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[4.13 練習試合 湘南2-0仙台 平塚]

 湘南ベルマーレベガルタ仙台は13日、平塚競技場で45分×3本の練習試合を行い、合計2-0で湘南が勝利した。1本目はMFアジエルのゴールで湘南が1-0。2本目は仙台が押し込みながらも0-0で、3本目はFW中村祐也のゴールで湘南の1-0だった。仙台にとっては震災によるリーグ戦中断後、初のJリーグ勢との対外試合となったが、攻撃面で課題を残した。

 1本目、湘南は4-4-2を採用。GKは西部洋平、DFラインは右から臼井幸平、大井健太郎、遠藤航、石神直哉。ダブルボランチは永木亮太とハン・グギョン、右MFはアジエル、左MFは菊池大介が入った。2トップは佐々木竜太とルーカスが組んだ。

 対する仙台はリーグ戦再開に向けて練習中の新システム、4-5-1を採用。GKは林卓人、DFラインは右から菅井直樹、チョ・ビョングク、渡辺広大、朴柱成。ダブルボランチは角田誠と富田晋伍、右MFは梁勇基、トップ下は松下年宏、左MFは関口訓充が入った。1トップは赤嶺真吾が務めた。

 立ち上がり、湘南がペースをつかんだ。出足の速い守備で相手の中盤を苦しめ、ボールを奪ってからは左SBの石神、FWの佐々木がうまく絡んで押し込んだ。10分、PA左で佐々木が仕掛けてスルーパス。菊池が抜け出すがこれは先にGK林が触った。

 その後、仙台が盛り返す。2列目の松下、関口、梁勇基が頻繁にポジションを変えて攻撃を組み立てる。19分、PA右から松下がグラウンダーで斜めのクロス。このボールを赤嶺が抜け出して受けるが、トラップをミスしたこともあり、シュートはわずかに左に外れた。

 一瞬のミスを見逃さず、湘南が先制に成功した。36分、仙台PA内での浮き球ルーズボール。DFがヘディングでクリアしたが弱く、湘南のアジエルの前にこぼれた。背番号「10」は落ち着いて左足で流し込み1-0リードに導いた。終盤、仙台はクロスやセットプレーで押し込んだが、1本目はそのまま湘南が1-0で終えた。

 2本目、湘南は4選手を交代。GKを西部に代えて阿部伸行、右SBを臼井に代えて鎌田翔雅、CBを大井に代えてソン・ハンキ、FWをルーカスに代えて松浦勇武を投入した。対する仙台は3選手を入れ替え、システムも4-4-2に変更した。GKを林に代えて桜井繁、CBのチョ・ビョングクに代えて鎌田次郎、2列目の関口に代えてFW中島裕希を入れ、前線を赤嶺と中島の2トップにした。

 梁勇基、松下を中心にボールを回す仙台が、やや主導権を握った。しかし、バイタルエリアでのアイデアが乏しく、また3人目の動きが少ないためゴールを割れない。21分、仙台はボランチの富田に代えてマックスを、右SBの菅井に代えて田村直也を、2列目の松下に代えて太田吉彰を入れた。さらにその2分後、FWの赤嶺に代えて武藤雄樹を送り出した。24分、仙台は右CKのこぼれから梁勇基がファーサイドでボレーを放ったが、決め切ることはできなかった。

 25分、湘南は7人を入れ替えた。FWを佐々木に代えて再びルーカスを入れ、右MFはアジエルに代代えて練習生、左MFは菊池に代えて高山薫を入れた。ダブルボランチは総入れ替えで平木良樹と練習生が務めた。左SBは石神に代わって小澤雄希が入り、CBには遠藤に代わって山口貴弘が入った。

 湘南が控え組中心に変った影響もあり、仙台が完全に主導権を握った。32分、右サイドで中島が縦パスに抜け出してDFの裏を取る。GKと1対1となったが、左足のシュートは防がれた。さらに34分、カウンターから武藤が右サイドを抜け出してシュートまで行くが、これもGK阿部の好セーブに阻まれた。仙台は33分に左SBの朴柱成に代えて原田圭輔を、38分に梁勇基に代えて大久保剛志を、その1分後にボランチの角田に代えて斉藤大介、CBの渡辺に代えて細川淳矢を入れた。その後も仙台が押し込んだが、決定力を欠いて2本目は0-0で終了した。

 3本目、湘南はGKに松本拓也、DFラインは右から練習生、練習生、山口貴弘、小澤雄希。ダブルボランチは平木良樹と鎌田翔雅が組み、右MFに練習生、左MFに高山薫が入った。2トップはローカスと松浦勇武が組んだ。

 仙台は再び4-5-1に変更。GKは川俣慎一郎、DFラインは右から田村直也、島川俊郎、細川淳矢、原田圭輔。ダブルボランチはマックスと斉藤大介が組み、2列目は右から太田吉彰、高橋義希、大久保剛志が入った。1トップは武藤雄樹が務めた。

 仙台は太田のサイドアタックを活かして押し込むが、ゴールまでの工夫が足りず、ゴールを決めることができない。湘南は16分、2トップを変更。田原豊と中村祐也を送り込み、流れを変えようとした。湘南は高山と中村のスピード、積極性を活かして攻めようとしたが、カウンターのみで、中盤でうまくゲームが作れなかった。仙台は引き続き、ボールを回しながら太田と大久保のサイドアタックで勝機を探すが、こちらも決め手を欠いた。

 そんな中、湘南がゴールを奪った。31分、右サイドを深く仕掛けて右SBに入った練習がクロス。これに中村祐也がニアに飛び込んで頭を合わせ、ヘディングでゴールを奪った。これでリズムを取り戻した湘南。36分には高山がドリブルで中央を仕掛けてミドルシュート。これは惜しくも左に外れた。試合はそのまま終わり、3本目は湘南の1-0。3本合計、2-0で湘南が勝利した。

(文 近藤安弘)

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