beacon

「ひたむきに」戦った栃木、J2上位対決制す

このエントリーをはてなブックマークに追加
[5.28 J2第14節 徳島0-4栃木 鳴門大塚]

 栃木が連敗ストップ。28日、J2第14節2日目の4試合が行われ、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムの徳島ヴォルティス栃木SC戦は4-0で栃木が快勝。連敗を2で止めて暫定3位へ浮上した。

 開幕5試合を4勝1分と会心のスタートを切っておきながら、2連敗で首位から4位へと後退していた栃木。だが徳島戦前日に松田浩監督が「エゴを出すのではなく、チームとして成果を出さないといけない。覚悟、高い目標値、チーム内での高い基準値を持つことが大事になるし、エゴを捨てて草津戦や富山戦のようなひたむきさに気が付くことが、成績に繋がると思っている」(栃木公式サイトより)と話したように、気持ちの部分から入れ替えてきたチームが5戦連続無敗で2位につける徳島を圧倒した。

 立ち上がり決定機をつくっていたのはホームの徳島だった。試合開始直後にMF島田裕介の縦パスで抜け出したMF佐藤晃大が決定的な右足シュート。さらに5分には右スローインからMF衛藤裕の放った右足シュートがゴールを捉えた。

 互いにスピーディーな攻撃から攻め合った試合は運動量で上回る栃木がその流れを自らへ傾けた。15分、右サイドをワンツーで崩すとMFパウリーニョの右クロスを受けたFWリカルド・ロボが鋭い反転でDFを外して右足シュートへ持ち込む。これはゴールに結びつかなかったものの、20分だ。中央から左サイドへと展開すると、これをコーナー付近で拾った右SB大久保裕樹がドリブルでの仕掛けからクロスボール。これにマーカーを外して大外から飛び込んだMF高木和正が、左足ダイレクトで先制ゴールを押し込んだ。

 開幕戦以来の出場となった10番・高木と4試合ぶりの出場だった大久保による先制ゴール。連敗を断ち切るために先発起用された2人が結果を出して先制した栃木は、後半さらに加速する。9分に左サイドを駆け上がったSB那須川将大がDFラインとGKの間に完ぺきなグラウンダークロスを入れると、ファーサイドへ詰めたMF水沼宏太が右足で決めて2-0とする。

 栃木はさらに16分にリカルド・ロボのラストパスからFW崔根植が決めて3点差。20分にも水沼が自陣右サイドから崔根植の足元へ素晴らしいパスを入れると、乱れた相手DF陣の背後を突いた高木が難なく4点目を決めた。雨の中で最後まで集中力、運動量の落ちなかった栃木。今季最多の4ゴールで連敗をストップした。高木は「この波に乗って次のホーム(対水戸)も連勝したい」。目標のJ1昇格へ、栃木は「ひたむきに」勝ち点を積み上げていく。

(文 吉田太郎)

TOP