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大分が“前俊”の決勝弾で東京Vを撃破

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[7.31 J2第23節 東京V1-2大分 味スタ]

 J2第23節の2日目が各地で行われ、東京・味の素スタジアムでは東京ヴェルディ大分トリニータが対戦した。1-1で迎えた後半29分、FW前田俊介が勝ち越しゴールを決め、大分が2-1勝利。今季2度目の連勝をつかんだ。東京Vは今季3度目の連敗。対大分戦はこれで6戦連続で白星から見放された。

 東京Vは4-4-2を採用。GKは柴崎貴広、DFラインは右から森勇介、高橋祥平、土屋征夫、和田拓也。ダブルボランチは小林祐希と佐伯直哉が組み、2列目は右に河野広貴、左に菊岡拓朗が入った。2トップはマラニョンと阿部拓馬が組んだ。

 対する大分は3-4-3を採用。GKは清水圭介、3バックは右から土岐田洸平、阪田章裕、姜成浩。ダブルボランチは井上裕大と宮沢正史が組み、右MFは三平和司、左MFチェ・ジョンハンが入った3トップは森島康仁を中央に、右に前田俊介、左に西弘則が構えた。前田と西はトップ下的に動いた。

 開始5分、シンプルに縦へ縦へとボールを入れる大分が先制に成功した。PA左付近でチェ・ジョンハンにボールが入り、助っ人アタッカーは左45度で右足を一閃。綺麗な弧を描いたボールはゴールネット右上に突き刺さった。今季3得点目で1-0リードをもたらした。

 大分は前半7分、再びチャンスを作る。左サイドを攻撃参加した姜から中央へクロス。これをファーサイドで森島が頭を合わせた。タイミングは良かったが、わずかに上に外し、追加点を逃した。東京Vは前からのプレスでボールを奪い、持ち味の細かいパス回しとドリブルで打開しようとするが、大分がピッチを広く使って後方でボールを回しながら交わしたため、思うような奪取できなかった。

 しかし、個人技では東京Vの方が上。前半20分に河野広貴が圧巻のプレーで同点に導いた。右サイドでボールを受けてドリブル突進。PA右で土岐田を2度の切り返しで尻餅をつかせて抜き去り、グラウンダーのクロス。これをニアでマラニョンが右足を合わせてゴールネットを揺らした。河野のラストパスは、まさに“決めてください”と言わんばかりのボールだった。

 これで東京Vが完全にリズムを取り戻す。持ち味のショートパスとドリブルが発揮できるようになり、大分のDFラインをズルズルと下げた。前半30分には森がPA右を突破してグラウンダークロス。中央で菊岡が右足でシュートを放った。これはGK清水のファインセーブに阻まれたが、勢いに乗る。同33分には森がPA右を個人技で持ち込み右足シュート。これは惜しくもサイドネットに当たった。

 前半終盤になると、大分は東京Vの速いボール回しに慣れてきた。同43分、チャンスをつかんだ。左サイドから攻め込み、最後は中央の西へ。素早く前を向いて右足を振り抜きゴールを狙ったが、これは右ポストをかすめて右に外れた。前半はそのまま1-1で折り返し、後半に突入した。

 後半、立ち上がりから両軍ともに積極的にプレスにいった影響で、ゴール前までボールが上手く運べない。中盤でのボールの奪い合いが続き、一進一退の攻防が展開された。そんな流れが続いた後、東京Vが立て続けにチャンスをつかんだ。

 後半19分、PA右で味方の落としを受けたマラニョンがドリブル突進からシュート。これは惜しくもサイドネットだった。その1分後にはマラニョンがPA右を仕掛けてラストパス。これを走り込んだ阿部が右足でシュートを放った。“1点モノ”だったが、GK清水圭介の好セーブで防がれた。

 大分は後半22分、チェに代えてDF刀根亮輔を投入。左のアウトサイドに据えた。大分は攻められる展開が続いたが、セットプレーで勝ち越しに成功した。同29分、右サイドで得たFKのチャンス。キッカーは主将で左足の名手宮沢正史。ニアサイドにやや低めの速いボールを入れたが、これに前田俊介がニアに飛び込んで混戦からヘディングシュート。今季4得点目で2-1リードに導いた。

 大分は後半32分、勝ち越し弾を決めた前田に疲れがあると見て、FWイ・ドンミョンに代えた。連敗は避けたい東京Vも選手交代。同33分、一気に2人を入れ替えた。小林に代えてMF飯尾一慶、マラニョンに代えてFW平本一樹を入れた。

 後半37分には再び両軍とも選手交代を行った。東京Vは河野に代えて関西学院大からの特別指定選手、MF梶川諒太を初投入。大分は三平に代えてMF長谷川博一を入れた。これでお互いに交代枠を使い切った。

 東京Vの前線は平本と阿部の2トップ、右MFに梶川、左MFに飯尾の布陣とし、何とか追いつこうと必死に攻めた。ロングボールも使い、なりふり構わずゴールを目指した。しかし、大分守備陣は最後まで集中して対応。その後はスコアは動かず、大分が敵地で2-1勝利。今季2度目の連勝をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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