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地元クラブの町田に新加入した元日本代表・戸田「全てを出し尽くして、引退したい」

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 今季からJ2に昇格したFC町田ゼルビアは24日午後、町田市陸上競技場(野津田)で、オズワルド・アルディレス新監督と新加入選手6名、GK相澤貴志(←川崎F)、DF薗田淳(←川崎F)、MF戸田和幸(←草津)、MF庄司悦大(←専修大)、FW平本一樹(←東京V)、FW鈴木孝司(←法政大)の発表会見を行った。

 やはり、オーラが違った。JFLからJ2に昇格したばかりのクラブの新加入選手の中に、2002年の日韓W杯での“トサカ頭”など個性的なキャラクターに加え、プレミアリーグのトッテナム、オランダ1部のデン・ハーグ、韓国Kリーグの慶南FCなど国際経験も豊富な元日本代表の戸田が並んだ。今年で35歳となるハードマーカーは草津から、生まれ故郷のFC町田ゼルビアでプレーすることになった。出番を求めてとか、そんな単純な思いで来たわけではない。幼少期は、ゼルビアの前身の育成チームといるFC町田に所属していた。それだけに地元Jクラブでのプレーには深い思いがある。

「町田で生まれて、町田で育ち、この世界に入って、ひと回りで町田に戻ってくることとなりました。戻ってきてプレーさせていただくことに感謝しています。町田でサッカーをして、大きく成長した時間があったからこそ、僕はプロへの道が開けたと思っています。町田にトップリーグの無かった時代はありましたけど、自分がプロでキャリアを積んでいる中でそういうチームができて、ずっと気に掛けていた。町田はサッカーの街で、サッカーが上手く、チームも強くないといけない。そういうところで育った一人として、トップチームで流れをしっかり作って、町田の子供たちの目標であり、夢になるようなクラブを作りたい」

 戸田は強い決意を語った。とにかく万全な状態でプレーすることに飢えている。ここ2年間、両膝の怪我に悩まされ、満足の行くプレーができなかった。2011年はリーグ戦11試合、2010年も同12試合に留まっている。草津から契約満了を伝えられる中、町田からオファーを受けた。地元クラブでプレーすることでより一層、背負うであろう使命や期待、そして重圧……。そもそも、膝の具合はどうなのか-。熟慮に熟慮を重ねた。12月に町田へ練習参加するなどし、出てきた答えは“完全燃焼して現役を終わりたい”だった。

「今回こういうタイミングでお話を頂いたわけですが、僕は両膝の手術をして、この2年間なかなか満足にプレーのできる状態じゃなかった。地元は自分にとてつもなく大きく、大切な場所なんですね。だからこそ(オファーを)重たく感じていましたし、お話を頂いた時、すぐ受けられるということではなかった。素直にそういう気持ちを伝えたうえで、去年の12月の頭に練習へ参加させて頂き、加入させて頂くことになりました。膝は良くなりましたけれど、年齢的にも自分の状態的にも、ここが最後になると思います。自分にできる全てを出し尽くして、引退したいなと思います。自分にとって最後のチームになると思うので、恩返しできるように頑張ります」

 会見では、町田で引退する意向を持っていることをはっきりと口にした。まさに、これまで培ってきた“戸田魂”のすべてを町田に捧げる覚悟だ。当然、ピッチのうえで、プレーでチームを牽引するつもりでいる。役割としては、ボランチを第一候補に、またCBとしても期待されている模様。膝の状態は良いようで、コンディションさえ上がれば、再びあのハートマークが見られるはず。戸田は地元でもうひと花咲かせてユニホームを脱ぐ。

[写真]右上が戸田。これまでの選手生活のすべてを町田にぶつける意気込みだ


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