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「チームの目標はタイトル。そのために自分がプラスアルファに」小松、森下ら川崎Fの新戦力が躍動!

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[3.10 J1第1節 川崎F1-0新潟 等々力]

 タイトル奪取を目指す川崎フロンターレ期待の新戦力たちが躍動した。この日はGK西部洋平、DFジェシ、DF森下俊、FWレナト、FW小松塁と新加入の5選手が先発。鹿島へ移籍したFWジュニーニョに代わる新エース候補のレナトが独特の左足でチャンスメークとキープ力を披露し、右FKから決勝ゴールもアシストすると、ディフェンスリーダーとして期待されるジェシもどんな状況でも集中力を欠かさずにボールに食らいついてクリアする責任感の強い守備を見せた。2人の“助っ人”が実力どおりのプレーでチームに貢献したことはもちろん、森下や小松らJクラブからの加入組も存在感十分のプレーを見せた。

 190cmの超大型FW小松はゴールこそなかったが、そのダイナミックな動きで川崎Fサポーターを何度も沸かせた。前半11分の先制ゴールは、DF2人に前を阻まれながらも強引に突破を仕掛けた小松が獲得したFKからによるもの。また16分にはDFの逆を突くドリブルでマークを外し、ハーフウェーラインからゴールライン近くまでドリブルで独走した。また高さを活かして空中戦で奮闘し、後半5分には技ありの右足コントロールショットも披露。同16分にもMF田坂祐介のスルーパスを引き出すと、DFを巧みにブロックしながらクロスバー直撃の右足シュートを放った。得点できず「ボクが決めていればイージーな試合になったと思う」と反省していた小松だったが、「新しく入って開幕戦で出してもらった。結果を出したかったが白星を取れたことはよかった。今年の川崎Fの目標はタイトル。チームの目標のために自分がプラスアルファしていきたい」と宣言。過去にはJ2で2年連続二桁得点を記録するなど爆発力は十分。前線の柱として期待を抱かせる内容だった。

 一方、最終ラインでは森下が貴重な存在となりそう。「自分が後ろでリーダーというか、間違ってもいいから声を出そうと思っていた」という背番号33は声でチームを鼓舞し続けると、自身よりも7cm身長の高い矢野の前に身体をねじ込んでクリアするなど、身体を張った守りと再三絶妙なカバーリングも見せて完封勝利に大きく貢献。昨年から入れ替わった守備陣を引っ張った。「最後、(ゴールを守るために)4人くらいがスライディングしたりしていたし、(今後も)ああいう守りがしたいですね」と感謝していた森下。自身のプレーについては「まだまだ」と謙遜していたが、冷静さと熱さと両面を持ったCBは昨年、J2へ降格した3チームに次いで失点数の多かった川崎Fに安定をもたらしそうだ。

 西部も再三の接触プレーでも怯まずに身体を張ったセーブを連発し、川崎Fでのデビュー戦で完封勝利。この日は新戦力たちの活躍が光った。ただ大事なのはこれから。森下は「連勝しないと、タイトルは無理。次が大事。来週からまたしっかりとやっていく」。勝利に貢献した5選手だが、目標はタイトル奪取。終盤新潟の猛攻を受けるなど流れを掴まれた時間帯もあり、まだまだチーム力を高めていくことは必要だが、期待値も高い。3度のJ1・2位などあと一歩のところでタイトルを逃してきた川崎Fに実力派揃いの新戦力が頂点へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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