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6試合でリーグトップの14得点、仙台が唯一の無敗で首位快走

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[4.14 J1第6節 柏2-3仙台 柏]

 ベガルタ仙台は後半のシュート2本で2点を奪うなど抜群の決定力を発揮した。ここまで6試合を終えてリーグトップの14得点を量産。ベースとなる堅守に加え、昨季34試合で39得点(リーグ13位)だった攻撃陣が着実に結果を残している。

 強靭な身体能力で前線の起点となる新加入のFWウイルソンの存在も大きい。この日はシュートこそなかったが、力強いドリブル突破から再三のチャンスメイク。1-1に追いつかれた直後の後半11分にはカウンターからウイルソンがドリブルで強引にこじ開けると、右サイドから折り返したボールをGKがこぼしたところにMF関口訓充が詰め、右足で蹴り込んだ。

「ウイルソンがDFを引き付けながら突破してくれるから、タイミングを見て、2列目から走り込むことを心がけている。それが得点につながった」。そう胸を張った関口は前節・磐田戦(2-2)も1-1の後半30分にウイルソンのアシストで同点ゴール。2戦連発と好調だ。

 新たなスタイルを切り開いている。サイドハーフとして足元でボールを受けてのドリブル突破やスピードを生かした裏への抜け出しを持ち味とする関口だが、この日は外だけではなく中央にも絞ってプレー。ゴール前に飛び込んでゴールを陥れる得点感覚にも磨きがかかっている。

「去年と比べて、中に入る意識を強く持ってプレーしているのが得点につながっている。こういうのも大事だけど、自分の形で得点を取りたい」。貪欲に話す関口の“進化”をもたらしたのが、オフに取り組んだ肉体改造だ。

「体重が68kgを越えないようにしている」と話す関口だが、プロ1年目は62、63kgで、昨季も65、66kgだったという。体重の増加はフィジカル強化の賜物だ。「1日は上半身、1日は下半身をやって、次の1日は休むというのを繰り返していた」。この日も対面にはフィジカルに定評があるU-23日本代表DF酒井宏樹がいたが、決して当たり負けすることはなかった。「筋力、筋肉の質を上げたのがよかった。体のブレもそうだし、相手と当たったときもバランスが崩れない」と手応えを口にする。

 2月18日のブリーラム戦で右膝内側側副靭帯を損傷したMF梁勇基が不在の中、好調な攻撃陣が引っ張り、開幕6戦負けなし(5勝1分)。唯一の無敗を守り、首位を快走している。梁はすでに全体練習に合流し、次節21日のF東京戦で復帰する可能性もあるが、梁といえどもポジションは安泰ではない。次節はMF角田誠も出場停止明け。王者を破っても、なお上積みのある仙台の快進撃はまだまだ続きそうだ。

(取材・文 西山紘平)

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