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9試合で5得点の“スーパーDF”遠藤のPKなどで湘南が首位キープ

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[4・22 J2第9節 東京V1-2湘南 駒沢陸上競技場]

 首位の湘南ベルマーレと3位の東京ヴェルディの一戦は、両者互いに譲らぬ息詰まる展開。試合が動いたのは後半25分だった。湘南ベルマーレの菊池大介が右サイド深くを突破してペナルティーエリア内に侵入し、クロスを上げる。東京Vの選手の手に当たってラインを割ると、主審はすかさずハンドの反則を取り、湘南がPKのチャンスを得た。

ボールをセットしたのはDFながらPKキッカーを任されている19歳の遠藤航。落ち着いた助走から右足を振り抜くと、ボールは勢いよくゴール左上へ突き刺さった。待望の先制点は自身の今季5得点目だ。

「PKは得意というわけではないのです、迷っちゃいけないというのがあるので、思い切って蹴っています。でも僕だけのゴールではない。皆のゴールです」

 はにかみながらそう言うが、PKセンスはぴか一だ。中学生の頃はチームのPKキッカー。湘南ベルマーレユース時代はFWの選手が蹴っていたが、トップチームに昇格した昨年、当時指揮を執っていた反町康治監督から「PKの練習をしろ」と言われ、その能力が認められた。今季はチョウ・キジェ監督に毎試合ごとにPKキッカーに任命され、この日のキックで今季のPKによるゴールは3得点となった。

遠藤のPKで先制した湘南はさらに勢いづき、1分後には島村毅が直接FKを決めてリードを2点に広げた。最終的には後半42分に1点を返されたものの、2-1の勝利で4連勝、9試合負けなしだ。

「今日は前の2試合より緊張したけど、決まって良かった。でも僕はDFなので失点を0で抑えたかったですが」と遠藤。だが、チョウ監督は「最後に失点するといういつもの悪いクセが出たけど、今日は非常に気持ちが出ている試合で、9試合の中でも一番いい試合だったと思う」と自画自賛する。2位の京都、3位の東京Vがいずれも負けたことで2位以下との差は広がり、湘南ががっちりと首位をキープ。DFからFWまで多くの選手が得点しているだけに、勢いはしばらく止まりそうにない。

(取材・文 矢内由美子)

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