[5.16 ナビスコ杯第4節 横浜FM3-2鹿島 ニッパ球]

　ナビスコ杯は16日、各地でグループリーグ第4節を行い、横浜F・マリノスはホームで鹿島アントラーズと対戦した。横浜FMがPKをものにして先制するが、後半には鹿島が2点を奪って逆転に成功。しかし後半41分にFW大黒将志が3-2に突き放す勝ち越しゴール。これが決勝点となり、横浜FMが競り勝った。横浜FMは今季初勝利を手にした4月28日の神戸戦(3-1)から公式戦5連勝を果たした。一方の鹿島はここまで3連勝中だったため、ナビスコ杯初黒星。公式戦4試合ぶりの得点が生まれるも公式戦4試合勝ちなし(1分3敗)となってしまった。

　互いに弱冠のターンオーバー制を採用。横浜FMはGK飯倉大樹、最終ラインは右から金井貢史、栗原勇蔵、中澤佑二、ドゥトラ。ダブルボランチはルーキーの熊谷アンドリューと小椋祥平。 2列目は右から兵藤慎剛、齋藤学。2トップは小野裕二と大黒将志が組んだ。一方の鹿島はGK曽ヶ端準、最終ラインは右から西大伍、昌子源、山村和也、新井場徹。ダブルボランチは梅鉢貴秀と青木剛が組み、2列目は右から本山雅志、増田誓志。2トップはジュニーニョとFW岡本英也が務めた。

　前半17分、相手のミスを突いた鹿島がビックチャンスを迎える。中澤がバックパスをミス。甘くなったボールを奪った岡本がPA左へ進入して右足シュートを放つが、GK飯倉が左足でこれをセーブ。得点にはつながらない。一方の横浜FMは前線の選手たちが豊富な運動量をみせて攻め込んだ。前半24分、左サイドから仕掛けた齋藤が相手選手3枚を引き連れながら強引に突破をする。マイナスのクロスをニアサイドの大黒が空振り。流れたボールを拾った兵藤がシュートを狙うも、DFにクリアされた。

　すると前半36分、サイドから果敢に仕掛けていた齋藤のプレーが先制点につながった。小野のスルーパスに抜け出した齋藤がPA内左で飛び出してきた曽ヶ端に倒され、PKを獲得する。キッカーを務めるのは兵藤。GKの逆を突き、ゴール右隅へ冷静に決めた。横浜FMがこの得点を守り抜き、1-0で前半を折り返す。

　後半に試合は一転、激しい点の取り合いとなった。後半から鹿島は増田と梅鉢に代わって、MF柴崎岳とMF遠藤康を投入。この交代が功を奏す。後半13分、新井場のパスを受けた遠藤が左サイドからドリブル突破。金井、栗原、中澤と追ってきたDF陣3枚にプレッシャーをかけられながらも、左足を一閃。個人技で同点弾を奪ってみせた。試合は1-1の振り出しに戻される。

　すると勢いづいた鹿島は同点弾から10分後に逆転ゴール。後方からのボールを本山がワンタッチで前線へ。抜け出したジュニーニョがPA左から左足シュートを流し込んだ。これがゴール右へ吸い込まれ、鹿島が2-1と勝ち越しに成功した。

　瞬く間に逆転された横浜FMは、1点を返された後半17分には熊谷に代わってMF中村俊輔。逆転された直後の同26分には金井に代えて、FWマルキーニョスをピッチへ送り出す。すると後半38分、ゴール正面でパスを受けた中村がPA内右へ浮き球パス。GK曽ヶ端が取り損ねたボールに走り込んでいたのが齋藤だった。右足で押し込むと、2-2に追いついた。

　互いにゴールをめざし、熱戦が続く。後半40分には鹿島がビックチャンス。ドゥトラのパスに遠藤がPA右へ抜け出す。GK飯倉との1対1からニアサイドを狙ったシュートは、ビックセーブに阻まれた。2度目のリードは奪えない。

　すると、これを凌いだ横浜FMに決定機が巡ってきた。後半41分、左サイドの小野が中央のドゥトラへパス。自らはPA左へ走り込む。ドゥトラはDF陣が下がり気味となったのを見逃さずに中央の大黒へパスを送った。受けた大黒はわずかに前進すると左足を一閃。これがゴールネットを揺らし、横浜FMが3-2と2度目のリードに成功した。同43分にはゴールを決めた大黒に代えて、MF富澤清太郎をピッチへ送る。攻撃的だった布陣を守備的に変えた。3-2で逃げ切った横浜FMが勝利。ホームのサポーターを前に公式戦5連勝を飾った。

　試合後、決勝点の大黒は「ドゥトラがいいボールをくれたので。決められて良かった。チームメイトとサポーターに感謝したい」と笑顔。樋口靖洋監督は「よく勝ちきったと思う」と選手たちをねぎらった。

　一方、ここまでのナビスコ杯では3連勝中と負け知らずだった鹿島だが痛恨の敗戦。公式戦4戦勝ちなし(1分3敗)となってしまった。とはいえ、4試合ぶりのゴールが生まれるなど攻撃陣は復調の兆しもみせた。ジョルジーニョ監督は「逆転したところでゲームを終わらせなければいけなかったが、公式戦では久しぶりのゴールが生まれたことは良かった」と前を向いた。

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