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[国体少年男子]残り10分から岡山県を逆転!大声援の後押し受ける地元・和歌山県が8強進出!!

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[9.28 国体少年男子2回戦 岡山県 2-3 和歌山県 上富田スポーツセンター球技場]

 第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」は28日、大会2日目を開催。地元代表の和歌山県が岡山県に挑んだ一戦は3-2で和歌山が勝利した。和歌山は29日の準々決勝で山梨県と対戦する。

「日本中の誰もが勝つなんて思っていなかったはず」。和歌山県を率いる中村大吾監督(和歌山北高)がそう笑ったように、和歌山は前日の1回戦で13年優勝の東京都を撃破。地元の意地を見せたものの、「一回勝って終わりやと、マグレやと思われてしまう。たまたま東京に勝っただけとは思われたくない」(中村監督)と気を緩めず。この日は試合前に、10年W杯南アフリカ大会でグループリーグを勝ち抜きながらも、決勝トーナメント初戦で敗れた日本代表の例を示し、貪欲に2勝目を狙った。

「東京戦の勢いがあったと思う」とMF和田広矢(和歌山北高2年)が振り返ったように、効果はてき面。1分に右サイドのDF家本大渡(初芝橋本高1年)からパスを受けたMF木村波生(和歌山北高2年)が縦をドルブルで突破。ゴール前に入れた低いクロスを、ゴール前のFW丸畑紘杜(東大阪大柏原高2年)がダイレクトで合わせて、均衡を崩した。幸先の良いスタートを切った和歌山だったが、「東京戦で一山超えたので、疲労と気の緩みで、自分たちのサッカーが出来なかった」(中村監督)と先制点以降は、チームの約束事が守れなかったため、攻守ともに機能せず。6分にはFW石川隆汰(岡山U-18、2年)のクロスをDFがクリアミス。こぼれ球をFW薮井樹(玉野光南高2年)に押し込まれて同点に追いつかれると、24分にもMF清水健太(作陽高2年)の浮き球パスからMF西山流聖(作陽高1年)に2点目を奪われて、前半を終えた、
 
 後半に入ってからも、「ドリブルに付いていくのでいっぱいいっぱいだった」と中村監督が振り返ったように、岡山が繰り出す左の八田壮一郎(作陽高2年)、右の薮井による仕掛けを凌ぐのがやっと。岡山は後半6分、西山が中央でクサビのパスを受けると左に展開し、受けた八田が和歌山DFに囲まれながらも強引にかわしてシュートを放つ。13分にも八田が自ら左で得たリスタートから、中央に切れ込んでゴールを狙ったがネットを揺らすことができない。

 試合の潮目が変わったのは、後半16分。和歌山は「選手を入れ替えて、攻撃を活性化したかった」と丸畑に代えてFW中川裕仁(C大阪 和歌山U-15)を投入。後半頭から入ったMF西淵寛斗(初芝橋本高1年)と共に息の合ったプレーで攻撃を盛り上げた。また、苦戦が続いた岡山のサイド攻撃を防ぐべく、速さに長けたDF鈴木玲弥(和歌山北高1年)も投入。スピードで岡山の攻撃を封じつつ、攻め上がりで攻撃に厚みを加えた。すると、25分に相手クリアを右前方で奪った中川が左足で岡山のゴールネットを揺らし、試合は再び振り出しに戻った。

 和歌山は32分にも和田が左サイドでボールをキープ。周囲との連係で中に切れ込んでシュートを狙ったが、これはDFに阻まれた。それでも33分、和歌山はハーフウェーライン前から、MF尾崎僚(和歌山北高1年)が相手DF裏へクサビのパスを入れる。DFと競りあった西淵はボールに合わすことが出来なかったが、これがブラインドとなり、GKのキャッチミスを誘発。そのままゴールネットを揺らした。「持ってるなと思った」と和田が口にしたように、まさかの形で逆転に成功した和歌山は、3分間のアディショナルタイムに受けたパワープレーもきっちり防ぎ、3-2で勝利した。「応援のレベルが違うので、めちゃめちゃ頑張れる」と和田が口にしたように、苦戦が予想されながらもベスト8に進出できたのは、会場にかけつけた大勢の観客のサポートがあったからこそ。和田が「満足する気はない」と続けたように、決勝までの残り3試合も地元・和歌山の代表として白星を狙うつもりだ。

[写真]和歌山は残り10分からの2得点によって逆転勝ち。(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 森田将義)
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