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[国体少年男子]青森山田での厳しい競争勝ち抜いた16名。FW川口琥牙らがハードワーク徹底の青森県が日本一へ前進

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青森県FW川口琥牙(青森山田高、1年)はハードワークを徹底し、前線でチームを牽引。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.3 国体少年男子2回戦 福岡県 1-1(PK1-4)青森県 真岡市総合運動公園運動広場(人工芝)]

「これをモノにできたことは大きいです」。青森県は福岡県の我慢強い守備と決め切る力、そして勢いに苦戦を強いられたが、PK戦の末に8強入り。上田大貴監督(青森山田中)は決定力を欠いたこと、また「後半ボールに行けなくなったことは反省点」としながらも、勝ち切ったことを評価していた。

 今大会、青森県選抜は昨年度3冠を成し遂げた青森山田高の1年生15人と早生まれの2年生CB山本虎主将(青森山田高)の16人によって構成。彼らは今後、打倒・青森山田のために100パーセントの力をぶつけて来る相手との厳しい戦いを幾度も乗り越えて行かなければならない選手たちだ。

 その勝利のために、彼らは走り、戦った。すでにトップチームで先発を務めているMF谷川勇獅(青森山田高、1年)やU-16日本代表候補の山本が背中でチームを牽引。相手の激しいプレッシャーにファウルを受けることもあったが、冷静にやるべきことを続け、また熱くチームを鼓舞していた。

 前線ではFW川口琥牙(青森山田高、1年=SCインテルナシオナル出身)がハードワークを貫徹。前へ、後ろへとプレッシングを掛け続け、また身体を張ってボールを収めるなど、求められる動きを全力で表現していた。

「自分のチームでもFWとして求められているところなので、やらないと他の選手が出てきてしまいますし、自分が試合に出るために、チームが勝つためにやらないといけない。それを意識してやっています」。以前はトレセンリーグで出場できない試合もあったという。だが、メンバーに入るため指導陣に尋ね、磨いてきたハードワークをこの試合でも人一倍発揮していた。

 例年、青森県選抜は青森山田高の選手が多数を占める。今年も約80人の1年生が国体メンバー入りを懸けて競争してきた。「青森県として今年はオールうちですけれども、彼らはルーキーリーグもないし、国体はU-16の一番の大会という位置づけ。そこに入りたいという過酷の争いと、(黒田剛)監督たちに1年生ここにありとアピールしていかないといけない」と上田監督はいう。

 また、川口は今年の青森山田の1年生について、「自分から見ても青森の選手は上手いなと思うことが多いし、良い選手が揃っていると思います」と説明する。その1年生の競争を勝ち抜いた選手たちはこの日、交代選手たち含めて健闘。70分間で勝ち切ることはできなかったものの、山本が「最後PK信じてやろう」と鼓舞して臨んだPK戦で交代出場のGK嶺翔莉(青森山田高、1年)が1本を止め、4-1で勝利した。

 試合前のウォーミングアップから相手を飲み込むような大声で圧力を掛け、試合ではチームのために全員がハードワーク。全て青森山田高の選手で戦うチームの団結力も特別だ。川口は「(団結力は)良さでもあるので。キャプテン中心に全員が声掛けてできるので、チームの長所というか、そこは強みだと思っています」。その団結力も持って、勝ち続けて地元の期待に応えることが目標だ。

 川口は「期待に応えて、見ている人も青森を応援したくなるようなチームに。絶対に優勝するのが自分たちの目標なので、毎日コンディションを整えてやるだけだと思います。(個人としては)ハードワークの部分でもきょう(の自己評価)はイマイチでしたし、FWとして得点とかアシストもできていない。明日もあるので、明日は注目して見て頂けたら」と力を込めた。次は宮城県との東北勢対決。絶対に勝利し、目標の日本一へ前進する。

(取材・文 吉田太郎)
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