beacon

[MOM4451]愛知県MF野村勇仁(名古屋U-18、1年)_ボールを刈り取り、ゴールで攻撃面での成長も示す

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半35+5分、愛知県MF野村勇仁(名古屋U-18、1年)がダメ押しの3点目。(写真協力j=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 国体少年男子1回戦 長野県 0-3愛知県 加世田運動公園多目的広場]

 タレント豊富な愛知県の中でも、U-16日本代表のMF野村勇仁(名古屋U-18、1年)の存在感はひときわ目立つ。長野県との初戦ではチームの指揮を執る三井陽介監督(愛知教育大附高)が「チームの柱」が称えるほどの働きで、3-0での快勝に貢献した。

 ゴールに直結するプレーが多い、目立つタイプではないが、とてもクレバーで彼がいるのといないのとではチームが大きく変わる。「攻守の切り替えでもスイッチになれる。彼が牽制しながら、攻守の穴を埋めていて、セカンドボールを拾ってくれている」と評するのは三井監督だ。立ち上がりから主導権を握る展開が続いた長野県との一戦は、相手のクリアボールをボランチの位置で着実に回収し続けた。

 高い守備力の中でも、特に目を惹いたのはボールを刈り取るプレーだ。相手とのデュエルで気負いせず、ガツガツ行けるのがセールスポイント。その秘訣について、こう話す。「ボールを奪う時は引かない。遠藤航選手がよく言っているのですが、迷ったら行く。(世代別代表の遠征で)海外に行って一番感じたのは、球際で引いていたら奪えない。迷ったら行って相手の足を蹴るぐらいの気持ちでボールを奪いに行っています」。

 守備でチームに貢献し続けた野村だが、試合終盤には攻撃での見せ場も訪れる。2点リードで迎えた後半35+5分にMF神田龍(名古屋U-18、1年)の左クロスがゴール前へ。待ち構えたアタッカー陣と合わず、ゴール前にこぼれた所を後方から走り込んで押し込んだ。

 ボランチとして更なる進化を遂げるため、今シーズン掲げた目標はゴール数の増加。「自分がゴールを決めて、チームを勝たせたい」と想いで、トップチームのレジェンドで現在はU-15とU-12のコーチを務める中村直志氏と共にシュート練習に励んできたという。「今年になって、シュートを打つ意識は高まっていたので、ゴールに繋がって良かった。あそこで決めるのは運の要素もありますが、ゴール前に入っていったことに意味がある。入っていなかったら、ゴールはない」。

「愛知県を背負って戦う経験は人生で1回しかない。試合前にはキャプテンとして自分のためだけでなく、仲間のため、愛知県のために戦おうと声掛けをした」。言葉通り、愛知県のプライドを背負うと今大会は個人としてのアピールの場でもあると考えている。チームメイトのDF森壮一朗(1年)やMF八色真人(1年)、FW野中祐吾(1年)がプレミアリーグでの出場機会を増やす中、野村は3月に参加したU-16代表のフランス遠征後に怪我した影響もあり、まだAチームでの出場機会を得られていない。

 気落ちした時期もあったが、古賀聡監督に「今やれることに集中しよう」と声を掛けられ、現在は自らと前向きに向き合えている。「ここで結果を出して、チームに帰りたい想いが強くある」。そう意気込む野村は自らの特徴である守備と攻撃面での成長を今大会で示し、Aチームでの活躍に繋げる。


(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
●特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」特集
森田将義
Text by 森田将義

TOP