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[国体少年男子]初V狙う愛知県は3-0で初戦突破。「覚悟を持ってこの大会に挑んでいる」DF森壮一朗らが前へ、前へ

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後半34分、愛知県はU-17日本代表CB森壮一朗(名古屋U-18、4番)が2点目のゴール

[10.12 国体少年男子1回戦 長野県 0-3 愛知県 加世田運動公園多目的広場]

 名古屋グランパスU-18をベースにした戦い方で3-0勝利。愛知県が初の日本一へ向け、まず初戦を突破した。愛知県は登録16名のうち、名古屋U-18所属が11名。これに高体連チームの5名が加わる形で構成されている。この日は名古屋U-18の11名が先発。中でもFW野中祐吾(名古屋U-18)とFW大西利都(名古屋U-18)の2トップが攻守両面で前へ出て、相手を苦しめていた。

 三井陽介監督(愛知教育大附高)は「グランパスで前から前からというのはチームとしてもやっているスタイルだと思いますし、彼ら2人もプレミア(リーグに)絡んでいる。日頃からトレーニングしている成果かなと思います」と説明する。彼ら2人を筆頭に攻守両面で利いていたU-16日本代表MF野村勇仁(名古屋U-18)ら各選手が前へ、前へ。U-17日本代表のCB森壮一朗(名古屋U-18)も前方にスペースがあればドリブルで攻め上がっていくなどその姿勢を表現していた。

 名古屋U-18で先発も経験している森は、「グランパスでやっているサッカーが主なんですけれども、縦に速さを出すんで、縦(にスペースが)あったら1タッチでつけたり、カウンターで何人も出てだったり、アグレッシブなサッカーを常に求められているので、それを1年生でも体現できると思う」と口にする。

 前半は長野県の粘り強い守備に苦戦。最後の局面での質も上がらず、0-0で折り返した。それでも、焦れずに攻め続けて後半15分にMF八色真人(名古屋U-18)のゴールで先制。試合終了間際には、森のヘディング弾と野村のゴールによって2点を加え、3-0で試合を終えた。

 前線と中盤の連係面などすべてが上手く行っていた訳では無い。それでも、三井監督は「この大会を通じて成長していければ良いと思います」。硬さのあった初戦で快勝。チームは一戦一戦、目の前の試合に全力を尽くし、勝ち続ける。

 名古屋U-18の選手を中心にピッチ内外でコミュニケーション。森は「このチームで優勝したいという気持ちもありますし、自分たちの課題としては点を取れない時間が続くというところなので、どこまで焦れずに。点を決めた時には自分たちは強みを出せると思うので、自分たちは前半から強みを出してやっていく。優勝しに来てきているので、それが鍵だと思う」と語った。

 愛知県は名古屋U-18勢を中心に国体出場を重ねているが、選抜チームとしての最高成績はベスト8。単独チームによって争われていた1954、55年に刈谷高が連覇を果たしているものの、なかなか国体で結果を出すことができていない。三井監督は「今持っている力を最大限発揮しようと。力を出し切れれば結果を出せると思う」。選手たちが力を出し切れるようにアプローチ。まだまだ課題も多いが、選手たちはゲームの中でも成長を示している。

 高校進学後の半年でプレミアリーグに加え、U-16、U-17日本代表を経験している森は愛知県の中でも特に場数を踏んできている選手だ。「責任もありますし、覚悟を持ってこの大会に挑んでいる。チームでサイドバックをする機会が多い中で国体ではCBになって、中学の時はCBもやっていたんですけれども、そこで自分の良さとしてはピッチ内では後ろから声を掛けて後押ししたり、リーダーシップを取ることは自分の役割だと思っているので、安定した守備をして、自分のロングキックで状況を変えながらもチームの雰囲気は一番自分が考えながらやっていきたいと思っています」と意気込む。

 個人としては1歳年上のU-17ワールドカップ出場へのアピール機会でもある。「1個下だから(出られない)というのは言い訳にならない。本気でそこを目指して、(国体は)アピールの場だと思って本当に覚悟を持ってやっているので、自分の成長もそうですし、自分のアピールする場でもあるし、色々な意味で大事な大会」。一戦一戦、成長と白星を重ねて大事な大会で目標を達成する。
 
(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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