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[MOM4453]大阪府MF當野泰生(G大阪ユース、1年)_注目10番、ビッグマッチで一際輝く

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前半5分、大阪府の10番MF當野泰生(G大阪ユース、1年)が同点ゴールを喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.13 国体少年男子2回戦 大阪府 4-3 静岡県 鹿児島県立吹上浜海浜公園運動広場]

 注目の10番がビッグマッチで輝いた。前回大会3位の大阪府と優勝21回の静岡県が激突した2回戦屈指の好カード。大阪府の10番MF當野泰生(G大阪ユース、1年)が抜群の動きを見せた。

 大阪府は試合開始わずか3分で失点。だが、當野は「1点決められてそんなに慌てていなくて、『すぐ決め返せる』と思っていて、案の定決められた」と振り返る。FW中積爲(G大阪ユース、1年)にボールを預け、スルーパスで抜け出してから左足でズドン。あっという間にビハインドを取り返して見せた。

 その當野は前半19分、今度は中積からのパスを「あそこは持ち味出せるゾーンですね」という中央で受けると、浮き球のスルーパスで中積のゴールをアシスト。その後も左サイドから切れ味十分のドリブルを繰り出し、35分には絶妙なファーストタッチからPAへ侵入してPKを獲得した。

「決める気満々やったんですけれども」というシーンだっただけに、流れの中で決め切れなかったことを残念がる。PKはFW久永虎次郎(G大阪ユース、1年)に譲り、久永が決めて4-2となった。

 35分間で3得点に絡んだ當野は後半も攻撃力を発揮した。「それで勝負しています」という柔らかいタッチと視野の広さを駆使。ギリギリで判断を変えてシュート、スルーパスを選択するなど、一際余裕のある動きで攻撃を引っ張った。本人は後半に体力が落ち、強度などを欠いてしまったことを反省。修正を誓っていたが、中学3年でプレミアリーグWESTデビューを果たしている才能は、国体初戦で十分に違いを示して勝利に貢献した。

 坂元博晃監督(摂津高)は「華奢なので4連戦どこまで持っていけるか不安ですけれども、良いセンスを持って、ミスが少なくて、面白い選手だと思います」と説明。そして、「(強豪・佐賀県と対戦する)明日も期待している。攻撃の核になるかなと思います」と期待感を口にしていた。

 當野は今夏の日本クラブユース選手権(U-18)大会準々決勝で1得点。決勝では見事な同点ゴールを叩き出している。数々の名手を育成してきたG大阪ユースで躍動中の1年生。「『まずはサッカーを楽しんで、自分が描きたいことをピッチで表現しろ』と言われている」。それを実行し、大舞台で活躍できることを示している。

 加えて、「負けず嫌いの気持ちを最近上手くプレーに表現できるようになってきた。ユースで色々な人に出会って、自分に矢印を向けたら自分も成長できるし、結局自分ができないと周りも見えないと思うので、そういう部分で人間的な部分でも成長できている」。以前は上手く行かないと周りに矢印を向けていたというが、その変化とともに自分の強みをより発揮できるようになってきている。

 今回の国体の主役候補の一人。“決勝戦”のような戦いが続く中、仮に苦しい展開となっても、サッカーを全力で楽しみ、自分の力を表現してまた白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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