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[総理大臣杯]11年ぶり日本一へ奥野延長V弾!阪南大が早稲田大撃破し決勝進出!!

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[7.14 総理大臣杯準決勝 早稲田大1-2阪南大 金鳥スタ]

 地元・大阪の阪南大(関西3)が日本一にあと一勝と迫った。夏の大学日本一を決める第36回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントは14日にキンチョウスタジアムで準決勝を行い、第2試合は阪南大が延長戦の末に2-1で早稲田大(関東1)を下した。

 阪南大は、前半19分に右DF飯尾竜太朗(4年=神戸U-18)のアーリークロスをFW工藤光輝(3年=札幌U-18)が合わせて先制。その後もボール支配と積極的なアーリークロスが目立った。試合を優勢に進め、FW河田篤秀(2年=阪南大高)のループシュート、左から中央へ切り込むFW泉澤仁(3年=新潟ユース)のドリブルシュート、ボランチのMF窪田良(3年=東京Vユース)がバイタルエリアから放つターンシュートなどで相手ゴールへ襲いかかった。しかし、早大は高い集中力でカバー。前半を最少失点で抑えて後半を迎えることに成功した。

 後半に入ると、早大が左DF三竿雄斗(3年=東京Vユース)の攻撃参加などで反撃を開始。前半は機能しきれなかったボランチの島田譲(4年=鹿島ユース)が次第に攻撃を組み立てていった。そして21分、早大は右MF近藤貴司(2年=三菱養和SCユース)がドリブルで突破口を開くと、ゴール前でパスを受けたプロ注目のエースFW富山貴光(4年=矢板中央高)が右足シュートを決めて同点に追いついた。阪南大の須佐徹太郎監督が「本当に粘り強いチームだし、フリーにしたらちゃんと決めてくる」と認める組織力と決定力が発揮された時間帯だった。

 息を吹き返した早大は、その後に何度もチャンスを迎えた。後半のアディショナルタイム、サイドを揺さぶって相手GKを釣り出すと、島田が無人のゴールへシュート。しかし、阪南大の主将・飯尾のカバーに防がれた。延長前半にも島田がGKとの1対1を迎えたが、阪南大の守護神・原田直樹(3年=広島観音高)が素早く飛び出してファインセーブ。さらに早稲田大のMF小松聖音(3年=札幌光星高)が放った鋭いミドルシュートも横っ跳びで防いで意地を見せた。

 一進一退の攻防に決着がついたのは、通算104分。延長前半7分から投入されていた阪南大FW奥野将平(4年=興國高)が仕事をやってのけた。ドリブルで相手を引き付けた泉澤から敵陣左でパスを受けると、切り返しで相手をかわしてニアサイドへ鮮やかにシュートを決めた。「ボールが来た時点で相手と1対1だったので、シュートしか意識していなかった。左足でシュートを打とうとしたら相手が食いついたので、切り返して右足で思い切ってニアに蹴った。最後はどっちか1点取った方が勝つと持ったので、決められて嬉しかった」という奥野の一発は、そのまま決勝点となった。

 阪南大は16日に大阪長居スタジアムで行われる決勝戦でインカレ王者の専修大と対戦する。ただし、圧倒的なフィジカル能力を見せていた左DF二見宏志(3年=奈良育英高)は、早大戦で警告を受けたために累積警告で出場停止。須佐監督は「専修大は10番(MF仲川輝人)を抑えないといけない。クイックターンと前への仕掛けが良い。彼は(大学進学を決める際)うちの練習にも参加していたが、練習参加の最終日にお母さんが『大阪はちょっと遠いですね』と言った。その一言の重みに気付けなかった。あそこで土下座を100回するべきだった」とジョークを飛ばしながら相手エースへの警戒心を示したが「がっぷり四つでやるしかない」と真っ向勝負で挑む姿勢を明らかにした。阪南大は、勝てば2001年の第25回大会以来11年ぶり2回目の優勝となる。

[写真]阪南大は12年ぶりの優勝へ王手をかけた

(取材・文 平野貴也)

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