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連覇を目指す明治大は怪我人出すも安定した強さ、順天堂大撃破で5年連続4強入り

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明治大が順天堂大を撃破

[9.3 総理大臣杯準々決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム長居]

 総理大臣杯の準々決勝が3日に行われ、ヤンマースタジアム長居の第2試合では、連覇を目指す明治大(関東1)が順天堂大(関東6)を1-0で下した。5日の準決勝では関西大(関西2)と対戦する。

 両チームは8月10日に行った関東リーグ前期最終節でも対戦していた。スコアは2-0。前期リーグを圧倒的な強さで折り返した明治大が、首位追撃を目指す順大を返り討ちにしていた。

 しかしこの日の順大は、明大の選手らが驚くほどの修正力をみせていた。DF中村帆高(4年=日大藤沢高/FC東京内定)も「リーグ戦の時は上手く守備が前からいけていた部分もあったが、今日はいなされたりした」と語り、栗田大輔監督も「リーグ戦とトーナメントでは戦い方が全然違う」と話す。

 そんな中でもしっかりと勝ちをものに出来るのが、今年の明大の強さだ。3年生トリオの3バック、DF佐藤瑶大(3年=駒沢大学高)、常本佳吾(3年=横浜FMユース)、蓮川壮大(3年=FC東京U-18)がこの日も安定。相手に攻め込まれる時間帯もあったが、決定的なシュートを打たせることはない。

 逆に前半41分、常本からの浮き球をエリア内で胸トラップで受けた中村帆が巧みなコントロールから左足を振り抜いて先制点を決める。前半アディショナルタイムに着地の際に左足首を負傷した佐藤瑶が交代するアクシデントがあったが、試合最終盤の後半44分に浴びたFW塩浜遼(1年=静岡学園高)と、FW旗手怜央(4年=静岡学園高)の連続シュートは、GK早川友基(3年=桐蔭学園高)、そしてカバーに入っていた蓮川がかき出してゴールラインを割らせない。見せた団結力に蓮川も「ハーフタイムに瑶大の分までやろうと言っていた」と胸を張った。

 この試合では残念ながら怪我人が出てしまったが、連戦の中で上手くターンオーバーしながら勝ち上がることもできている。この日は足に不安のあったMF森下龍矢(4年=磐田U-18/鳥栖内定)やMF安部柊斗(4年=FC東京U-18/FC東京内定)をベンチスタートさせて、勝負どころの終盤に投入することで逃げ切りを図る作戦に出ていた。栗田監督も「頑張ってくれている」と、代役として出場するMF須貝英大(3年=浜松開誠館高)やMF力安祥伍(3年=広島ユース)の台頭に目を細める。

 準決勝の相手は関西大に決まった。同大とは毎年夏に定期戦を行っている間柄で、73回目を迎えた今夏の対戦は明大が3-2で接戦をものにしている。互いに堅い守備から強力なサイド攻撃で相手を崩していくスタイルを持つ。「似ている?そう思います」と話した栗田監督は、「攻撃のボールの動かし方、背後への抜け出しが、細かくてテクニカル。左サイドの黒川君も特徴的でどんどん駆け上がってくる。ビデオを観て研究したい」と“伝統の一戦”に向けて頭を切り替えていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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