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ナイキ「THE CHANCE」グローバルファイナル開幕!最終16名入り狙う“日本代表”3選手がイニエスタ、ピケらとのプレー・交流で闘志高める

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 ナイキ社による世界で戦える若きフットボールプレーヤーを探す世界規模のスカウトプロジェクト「THE CHANCE」は20日、世界55か国から参加した10万名を超えるプレイヤーの中から勝ち残ってきた100名によるグローバルファイナル「ファイナル100」がスタート。国内選考会で素晴らしいパフォーマンスを発揮し世界へのチケットを獲得したFW木下稜介(滝川二高)、DF冨澤右京(桐蔭学園高)、MF山之内優貴(鹿児島実高)の“日本代表”3選手が、スペイン・バルセロナにて究極のトレーニングツアーを体験する機会が与えられ、強化トレーニングと対戦スケジュールをこなし、4週間にわたってマンチェスター・U(イングランド)やユベントス(イタリア)を含む世界有数のクラブチームと対戦する16名入りを懸けた挑戦をスタートさせた。

 最終100名のプレイヤーは8月19日にバルセロナに集結。期間中は憧れの世界的ビッグクラブ、バルセロナのトレーニンググラウンドで練習し、世界中から集められたエリートコーチングドリルによる評価を受ける。ナイキアカデミーのジミー・ギリガンヘッドコーチは「バルセロナでは才能あふれる若いフットボールプレイヤー100名を迎え、最高の施設で最高のコーチングが提供され、彼らが輝き、好印象を残せる最高のチャンスとなります。重要なことは、今週行われるコーチングやトレーニングは全て参加者一人一人をより優れたプレイヤーにするものであるということです」と説明したが、その初日は基本的なボールさばきやパスの練習後、ボールポゼッションにフォーカスしたきつめのドリルが実施された。

 “日本代表”3選手だけでなく、参加した100名全てが「THE CHANCE」をステップに世界へ駆け上がろうと意欲満々。まずは第1関門となる1次選考突破の52名入りへ向けて初日から激しいアピール合戦が繰り広げられた。その中でJクラブへの練習参加経験も持つ注目のプレーメーカー、山之内は「試合をやっていないので、まだわからない部分はありますが、自分の実力を出せれば、まず52人に入れるかなと思います。海外の人はフレンドリーでコミュニケーションが取りやすいです。英語を話せなくても意外といけると思います。自分から積極的にコミュニケーションがとれていないのでもっととっていきたいと思います」。もちろん周りの選手とのコミュニケーションは日本語ではなく外国語。自分の良さを出すことができなければ、1次選考を勝ち抜くことも難しいだけに、より積極的にコミュニケーションを取ることを誓っていた。

 張り詰めた緊張感の中でドリルは進められたが、選手たちへのサプライズもあった。自らの練習を終えたバルセロナのスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ、スペイン代表DFジェラール・ピケ、ブラジル代表DFアドリアーノ・コレイアらが100名の前に現れ、一緒にドリルをこなしたり、コツなどのアドバイスも提供。圧倒的な突破力と高い得点感覚を持つ木下はピケとのプレーから手応えを掴んだ様子で「ピケ選手とボール回しができて良かったです。本当にうまかったです。股抜きされましたけど嬉しかったです。1対1をピケ選手とやったことで、実際のゲームでは相手をドリブルで抜く自信がつきました。コロンビアの選手で、背が低い選手は上手いなと思いました。でも、僕ら日本人も足元の技術では決して劣ってはいないので、今のところ負けていないと思います」と口にしていた。

 バルセロナのプレーヤーたちのようにチャンスを掴むことができるか。アドリアーノは参加選手たちへ向けて「若いフットボーラーにとって凄く大きな機会だ。一生一度のチャンスと思って自分のすべてを出し尽くして欲しい」とアドバイス。そしてピケは「フットボールはチームでするものですから、チームとして協力し、楽しみながら学んでいくことができれば自ずと人の目に止まる存在になれるでしょう」と100名のライバルたちと協力しながらそれぞれの力を発揮することを期待していた。

 集合写真を撮影する際には幸運にも冨澤がイニエスタの隣で肩を組んでパシャリ。イニエスタと言葉をかわした冨澤は「(集合写真の際)イニエスタ選手が隣に来てくれたのは、びっくりしたし嬉しかったです。『日本人です』と伝えたら『日本の事は好きだ』と言ってくれて嬉しかったです。ライバルたちと自分では、あんまり変わらないことがわかりました。今日は自分の特徴をあまり出すことは出来なかったのですが、明日こそ出せればと思います」。昨年の全国高校総体で日本一を経験している強力SBはEURO2012(欧州選手権)の最優秀選手でもあるイニエスタとの交流を経て、闘志をさらに高めていた。

 11年1月に開催されたグローバルファイナルでは日本人2選手が1次選考突破となる32名入り。だが、惜しくも最終8名に残ることはできなかった。前回以上にハイレベルの争いだった国内選考会を突破した“日本代表”3名が、世界で評価を勝ち取り、チャンスを掴むことが期待される。

[写真]記念撮影では冨澤がイニエスタと肩を組んで写真におさまった

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