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[JFL]初先発の長野MF岡田武瑠「目指しているところは、もっともっと上」

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[7.7 JFL第19節 横河武蔵野 0-0 長野パルセイロ 武蔵野]

 5月にセレッソ大阪から長野パルセイロへ期限付き移籍したMF岡田武瑠が、7日のJFL第19節・横河武蔵野戦(0-0)で初めてスタメン出場した。「別に(初スタメンだからといって)、そんなに変わったことはなくて。いつもどおり練習でやっていることを出そうと思っていました。不安もなくて、自信の方が強かったです」と、18歳の若武者は振り返る。

 前半は受けたボールをしっかりと味方につなぐ役割に徹していた感があったが、後半はその攻撃的センスの一端を示した。「後半に入って、チームがゴールを狙いに行っていたので、中盤でシンプルにさばいて、ゴール前に入ってから仕掛けようと意識していました」と、岡田は振り返る。

 実際、後半3分に自分のパスが相手に当たったボールを素早く拾って、シュートに持ち込んだ場面を皮切りに、同6分にも左足で積極的にミドルシュートを狙うなど、後半35分に交代するまで、攻撃にアクセントを加えていた。美濃部直彦監督も「相手も下がって守備するのは分かっていたので、武瑠のドリブルや背後への飛び出しに期待して起用した。それなりの評価はあげられるんじゃないか」と、及第点を与えている。

 C大阪では、なかなか出場機会を得られないと感じ、プレーする機会を求めて長野へ加入した。だからこそ、初出場にも特別な感慨はない。「ここで試合に出て成長する。そのために来たので。チームにはセミプロの選手もいますが、その中でも自分はプロなので。やっぱり責任感を持って、人と違うプレーが求められると思う。そこら辺は自覚していますし、もっともっと積極的に行けばいいんじゃないかなと思っています」。

 この日の試合は13時キックオフ。選手にも、観客にも優しくない、酷暑の中で行われた。そういうJリーグではありえない環境でプレーすることについても「メンタル的にも成長できる気がします」と、前向きだ。また、徳島時代にMF柿谷曜一朗を指導した美濃部監督に教えられていることも、刺激になっているようだ。移籍前、柿谷に「どんな監督か?」とリサーチしたところ、「すごく厳しくて、怖い。けど、すごく良い人やで」と教えられたという。「実際に指導を受けても、厳しい印象はありますね。でも、やりたいサッカーがすごくよく分かるのでイメージしやすいです。自分のサッカーに合っていますね。パスをつないで、ゴール前では自分が持っているものを自由に出させてもらっています」と、日々成長できていることが実感できているようだ。

「まずは、ここで活躍して、セレッソに帰って活躍できたらいいと思います。僕が目指しているところは、もっともっと上なので。セレッソの先輩方のように、世界で活躍したいですね。だから、ここで人一倍というか、人より良い印象を与えられないとダメだと思っているので、そこはしっかりやっていきたいと思います」

 大きな野心とともに、プロとしての第一歩を踏み出した167センチのアタッカー。この日、スタジアムに訪れた1,001人が、『初めて岡田が先発した試合を見たんだ』と自慢できるような選手に飛躍してほしい。

(取材・文 河合拓)
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