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松江シティに加入のMF実信が会見「良い見本になれるように」

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 昨季までJリーグのガイナーレ鳥取でプレーしていたMF実信憲明が、隣県の島根県のクラブ、松江シティFCに加入することが決まり、17日に記者会見が行われた。

 実信は広島県出身の33歳。地元の沼田高から東京農業大学を経て、03年に当時JFLのSC鳥取(のちのガイナーレ鳥取)に加入した。その後、プロ化やJ2昇格という歴史を歩んだクラブで、11年間にわたり中盤の主力として活躍。昨季限りで契約満了となり、クラブからは引退してスタッフとなることを依頼されたが、現役続行を目指して移籍先を探していた。

 契約は2月1日から2015年1月31日までの1年間。サッカー選手としてのプレー以外に、クラブの職員として、1つのプロジェクトの中で活動をともにすることが含まれており、職務内容については、後日あらためて発表される。

 松江シティFCは、J3の2つ下のカテゴリーとなる中国リーグ所属。2020年までのJリーグ入りを目指しており、今季は昨季4位だった中国リーグ優勝と、その後の全国地域リーグ決勝大会を勝ち抜いてのJFL昇格を目指している。

 会見での主な質疑応答は以下の通り。

実信:松江シティFCに入団した実信です。鳥取を退団した僕を熱心に誘ってくれた松江シティの方々に感謝しています。松江シティをJFL、Jリーグに上げられるように精一杯やっていきたいと思います。

――鳥取からはクラブスタッフとして残ってほしいという依頼があった中で移籍先を探し、結果的にJ3よりも2つ下のカテゴリーのクラブに加入した決断の理由は。
実信:鳥取を退団し、チームの方からはスタッフとして残ってほしいという、ありがたい言葉をいただきましたが、僕自身、まだ現役にこだわりたかった。松江シティFCは、僕が大学を卒業して鳥取に来たときと同じように、JFL、Jリーグを目指しているチーム。僕自身も鳥取に来たときのように初心に戻ることができますし、新たにチャレンジしたいという思いが大きかったので、カテゴリーは下になりますが、やりがいがあるチームだと思いました。

――鳥取で長年プレーしてきて、移籍した松江シティFCでどんなプレーを出していきたいと考えているか。
実信:1週間、練習をさせてもらいましたが、選手がとてもサッカーが好きで、向上心のある選手がたくさんいます。僕が入ることによって、そういう選手たちを、もっと気持ち良くプレーさせたり、勝負ですから、その厳しさも、プレー面や、グラウンドを離れた部分でも、しっかり伝えていければいいと思っています。このチームで最年長になるので、良い見本になれるように、プレーもそうですけど、普段の生活から、手本になれるようにやっていきたいです。

――環境が変わることへの不安は。
実信:先ほども言いましたが、大学を卒業して鳥取に来たときも、こういう厳しい環境でやってきました。その中で僕は、鳥取でJリーガーになることができましたし、ここにいる選手たちも頑張れば、そこまでいける。自分自身は、最初は戸惑うと思いますけど、サッカーが好きですし、サッカーができるので、環境は問題ありません。この環境に早く慣れることが大事だと思っていますけど、不安はありません。

――小川秀樹監督は、実信選手にどんなところを期待していますか。
実信:クラブとしてはJFL昇格、Jリーグ昇格を明確な目標に設定していて、経験・実績のある選手を獲得することが、クラブにとって今後、非常に重要なんじゃないかと話していました。その中で実信選手がガイナーレを退団することになり、それをきっかけにアプローチさせていただきました。彼が言っている通り、彼自身がJFL、アマチュアの段階からサッカーをやっていって、Jリーガーまで上り詰めた選手ですので、われわれが進んでいこうとする道を体感してきた選手です。そういう経験をチーム、若い選手に対して伝えていただきたいですし、それによってチームが、本当に上を目指すとは、どういうことなのかを、しっかり理解することが、日常的に経験できるのは、クラブ、選手にとって大きな財産になると思います。そういったことを彼には期待しています。当然、戦力としてチームを引っ張っていくことは、彼自身も理解してくれていると思いますから、中心選手となってチームをリーグ優勝、JFL昇格に導いてほしいと思っています。

――背番号が23番ということだが、鳥取で長年つけていた10番へのこだわりはなかったか。
実信:ずっと10番をつけさせていただきましたが、松江シティFCには10番をつけている選手がいますし、僕自身も新しいチャレンジということで、新しい番号をしてみようという気持ちがありました。10番という数字は特別ですけど、僕自身が新たなチャレンジをする上で、そういうところを変えていかなければいけないと思うし、23番が松江シティFCの実信ということをアピールできればいいと思うし、新鮮な気持ちでやっていけるので、23番に決めました。

――23番に何か理由は。
実信:プライベートなことになるのですが、僕自身が好きな番号も、その中にありますし、家族のラッキーナンバーもある。僕自身もそうですが、家族もあってのことなので、23番にさせていただきました。

――ガイナーレのファン・サポーターに伝えたいことは。
実信:11年間サッカーをしてくることができたのも、ガイナーレのファン・サポーターの方々がいたからこそ。鳥取県の横の島根県、松江に来ることができたのは何かの縁だと思います。ガイナーレも今季J2に戻ってほしいです。僕自身も結果を出して、少しでも松江シティFCというチームを知ってもらって、ガイナーレのファン・サポーターの方を引っ張ってくることができるようなチームにしていきたいと思います。同じ山陰のチームなので、同じ感じで応援していただければ、うれしいです。

――松江シティFCのファン・サポーターに対して。
これから松江シティFCがJFL、Jリーグに上がっていくためには、サポーターの力が非常に大事になります。今年もそうですけど、これからずっとサポート、応援していただけるように、僕自身も、在籍している選手も、ピッチ上でしっかり結果を残して、応援していただけるチームになれるよう、頑張っていきます。応援よろしくお願いします。

[写真]背番号は23。クラブカラーの黄色のユニフォームは「小学校のとき以来」だという

(取材・文 石倉利英)

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