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全国自衛隊サッカー大会準決勝、海自厚木マーカスvs海自下総プレビュー

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 全国の自衛隊基地・駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第48回全国自衛隊サッカー大会」は、26日に駒沢補助競技場で準決勝2試合を行う。最多16度の優勝を誇る海自厚木マーカスは、海自下総と対戦する。

 海自厚木マーカスは「自衛隊最強」の称号にふさわしい存在だ。最多16度の優勝は言うに及ばず、関東リーグ2部でプレーする所属選手たちのレベルも高い。高校時代に第88回全国高校サッカー選手権でベスト8に貢献して優秀選手に選ばれたMF大楠恭平(士長・神村学園高出身)や関東大学リーグの出場経験があるMF川手龍之介(士長・流通経済大出身)らが攻撃を組み立てる。ここまで出場機会のないFW工藤隼人(士長・神奈川大出身)も負傷による離脱から回復状況は上向いており、出番があれば注目だ。チーム全体としてはOBチームの海自厚木A.N.F.C.(通称:厚木なかよし)に数名が移り、若手のMF谷中潤希(士長・東久留米総合高出身)、DF濱元諒一(士長・鹿児島城西高出身)らが台頭。世代交代の最中にある。準々決勝では、厚木なかよしとの「兄弟対決」に3-0で勝利。前回大会の準決勝で敗れた一戦のリベンジを果たした。得点を挙げた大楠は「マーカスは、この大会では優勝して当たり前と思われている。その期待に応えたい」と王座奪還を宣言。視線の先にあるのは、2大会ぶりの優勝のみだ。

 海自下総は、下総基地、館山基地の合同チーム。守備時には5バック気味となる3-6-1システムが基本布陣となる。守備の硬さが特徴的だ。準々決勝では勢いに勝る防衛大を完封。主将の鈴木徹(3曹・中央学院大出身)を中心とする3バック、室田智広前監督の子息である室田悠貴(2士・市立柏高出身)と空中戦に強いMF三富健志(3曹・士気高出身)が組むダブルボランチが相手の攻撃を封鎖する。攻撃の中心となるのは、館山基地に所属するMF後藤隆志(3曹・桐蔭横浜大出身)。2シャドーの一角だが、中盤の底まで下りてゲームメークもこなす。正確な高速フィードで相手守備陣の背後を突くプレーが光る。前線は機動力に富む工藤良太(士長・八戸大出身)と、2月に入隊したばかりの木村晋作(2士・新潟経営大出身)がドリブル突破でゴールへ迫る。左ウイングバックの松本誠吾(2曹・向上高出身)は、左足のキャノンシュートが武器で押され気味の試合でも「一発」がある。準決勝で対戦する海自厚木マーカスには、昨年の3位決定戦でPK戦の末に勝っているが、平岩朋彦監督は「今度はPK戦ではなく、もう一度戦って、点を取って白黒つけたい」と再度の撃破に意気込んでいる。海自下総は近年こそタイトルから遠ざかっているが、第1回を含む11回優勝という輝かしい成績を持つ。24年ぶりの優勝は、まさに悲願。マーカスを再び破って決勝へ駒を進められるか。

 なお、大会は26日に準決勝を行い、27日には味の素フィールド西が丘で決勝戦、3位決定戦が行われる。いずれも無料で一般観戦が可能となっている。


■第48回全国自衛隊サッカー大会・日程
<準決勝>4月26日(土)
陸自習志野 vs 空自3補(10:00、駒沢補助)
海自下総 vs 海自厚木マーカス(12:00、駒沢補助)
<最終日>4月27日(日)
3位決定戦(10:00、味の素フィールド西が丘)
決勝戦(12:30、味の素フィールド西が丘)

(取材・文 平野貴也=フリーライター)

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