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ニューバランスの新スパイク「442」は抜群のフィット感!小笠原満男がスパイクの“プロ”と対談

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ニューバランスの新スパイク『442』着用選手のMF小笠原満男(鹿島)

 ニューバランスの新たなフィッティングコンセプトスパイクが10月5日に発売された。その名も『442(フォーフォートゥー)』。『442』は1970年代に生産されていたクラシカルなスパイクのデザインと現代のテクノロジーを融合し、上質なカンガルーレザーを組み合わせることでフィット感や足なじみの良さにとことんこだわったスパイクだ。MF小笠原満男(鹿島)も今シーズンから実際に『442』を着用し、履き心地の良さを実感している。

 日本初のスパイクマイスターとしてゲキサカでもお馴染みのKohei氏が小笠原に直撃インタビュー。対談形式でニューバランスの新スパイク『442』の魅力や特長を大いに語ってもらった。

Kohei 小笠原選手は2015年からニューバランスのスパイク『VISARO (ビザロ)』を履くようになりましたが、ニューバランスのスパイクを履くことになったきっかけはありますか?

小笠原 ちょうどその頃、新しく契約するメーカーを探していて、ニューバランスからスパイクが出るというのを聞いて試しに履いてみたのが最初のきっかけです。自分はずっと黒いスパイクが好きだったのですが、ニューバランスの黒いスパイクを最初に見たとき、シンプルなデザインが気に入りましたし、実際に履いてみても感触が良くて「あ、コレいいな!」と思いました。いろいろなタイミングや履き心地の良さがマッチしてニューバランスのスパイクを履くことにしました。

Kohei 『VISARO』で気に入っていた部分はどういうところですか?

小笠原 自分の中の絶対条件として“スパイクの色は黒”と決めています。サッカーを始めたのは小学生のときで、その頃は黒のスパイクしかありませんでした。黒という色が好きですし、黒いスパイクといえばカンガルーレザー。カンガルーレザーのスパイクが自分の足には合うので、“黒のカンガルーレザーのスパイク”というのが絶対条件です。最初の『VISARO』は黒色で、カンガルーレザーのフィット感も良くて、軽かったのも印象に残っています。自分はスパイクの設計や構造についてはあまり詳しくないですが、とにかく履いたときのフィーリングが良かったですね。履けば履くほど足になじんでくれる感触も好きでした。


Kohei 『VISARO』の2代目が出てもずっと最初の『VISARO』を愛用されていましたよね。最初の『VISARO』と比べて『442』ではどういったところが良くなったと感じますか?

小笠原 無駄な物が省かれて、さらに良くなった気がします。『VISARO』のフィット感ももちろん良かったですが、正直なところ『442』の方が好きですね。履いたときのフィーリングがより良くなったと感じますし、全体的なフィット感が自分にとってちょうどいい感触になっていて履き心地も申し分ありません。『VISARO』ではカカトやスタッドに赤色の部分がありましたが、『442』では赤色がなくなって、完全に黒と白のカラーリングになってくれたので、そこも好きです(笑)。最近はカラフルなスパイクが多いですが、こういう黒と白だけの昔ながらの古き良きスパイクという感じが僕は好きですね。自分の好みにピッタリ合っています。

Kohei やはりカラーリングの“黒”に対するこだわりは強いですね。小笠原選手が思うカンガルーレザーの良さはどういった部分ですか?

小笠原 最初からフィット感がすごく良いのと、履けば履くほど自分の足になじんでくれるところですね。自分は足の幅が広いので、カンガルーレザーを伸ばして自分の足になじませて履くのが合っていて、履き始めからフィット感はいいですが、だんだんと自分の足の形に応じてさらにフィットしてくる感触はやっぱりカンガルーレザーでないと実現できない部分だと思います。そういう“足なじみの良さ” はカンガルーレザーの魅力ですね。

Kohei ちなみに、今まで人工皮革のスパイクを試されたことはありますか?

小笠原 練習のときに何度か人工皮革のスパイクを履いてみたことはありますが、締め付けられる感触があったり、幅が狭かったりして、あまり好きではなかったですね。もちろん、人それぞれに好みがあるので人工皮革のスパイクを否定するわけではないですが、自分の足にはカンガルーレザーの方がしっくりきます。カンガルーレザーが足になじんでくると、“裸足感覚”の履き心地になってきます。

Kohei なるほど。人工皮革を試してみた結果、よりはっきりとカンガルーレザーの良さが浮き彫りになった感じですね。小笠原選手はサッカーをプレーする上で"止める、蹴る"という部分を最も重要視しているとのことですが、今回の『442』を履いていて"止める、蹴る"という部分の感触や印象はどうですか?


小笠原 自分の中では"止める、蹴る"というのがサッカーにおいて一番大事な部分で、もちろん、走ることも大事だし、球際の競り合いも大事ですが、正確にボールを止めて、正確にボールを蹴れないと、いいサッカーはできないですし、試合に勝つことも難しいと思っています。子供の頃は壁にボールを蹴って、どういう蹴り方をしたらどうボールが跳ね返ってきて、どういう止め方をしたらどこにボールが止まるかという練習をずっとやっていました。スパイクを履いていてちょっとでもストレスや違和感があると、気になって集中力を欠く原因になってしまいますし、“止める、蹴る”のちょっとしたズレの原因になってしまうこともあります。今回の『442』であれば履いていて違和感がないですし、フィット感や足なじみの感触も非常に良いので、"止める、蹴る"のときにボールの感触が繊細に足に伝わってきます。自分にとっては理想のスパイクです。

Kohei 小笠原選手はプロ入り後、しばらくはブレード型スタッドのスパイクを使用されていて、その後、丸型スタッドのスパイクに移行されましたが、スパイクのスタッドに関するこだわりはありますか?

小笠原 若いころはブレードスタッドの方が好きな時期もありましたが、最近は丸型のスタッドの方が好きです。やっぱり丸型の方が違和感なく芝に刺さってくれますし、いろんな方向へのターンにもしっかりついていける感じがします。サッカーの動きって真っすぐ走るだけでなく、いろんな方向に動いたり止まったりジャンプしたり、様々な動作の繰り返しですよね。そんな中で丸型スタッドならしっかりと踏ん張れますし、スタッドもよく刺さるので安心してプレーできています。

Kohei カンガルーレザーは天然皮革なので使用後の手入れも重要になってきますが、高校時代、スパイクの手入れはどうされていましたか?

小笠原 当時は自分で手入れしていました。自分流のやり方とかこだわりは特になくて、だいたいみんなと同じ手入れ方法だったと思います。親に買ってもらったスパイクをできるだけ長く履くためにはやっぱりスパイクを手入れすることが大事ですし、スパイクを買ってもらえることのありがたみというか、感謝の気持ちは忘れないように心掛けていました。スパイクは一緒に戦ってくれる道具なので、大きな大会や公式戦の前日にはいつも以上に入念にスパイクを磨いていましたし、「明日も頼むぞ!」という気持ちを込めて手入れをしてから試合に臨むのが当時の決まりでした。

Kohei 素晴らしいです。今の中高生にとっても参考になると思います。高校時代にスパイクの履き分けは行っていましたか?

小笠原 当時、練習用スパイクと試合用スパイクは分けて使用していました。土のグラウンドでプレーすることが多かったので、1足だけを毎日履いているとすぐにスタッドが削れてしまったり、革が破れたりしますよね。練習用と試合用を分けて使用することで試合用スパイクはできるだけ良い状態をキープしつつ、練習用スパイクは毎日のハードな練習でガンガン使っていました。高校時代は「試合用スパイクはコレ!」と決めていたスパイクがあったのでそれを試合用にして、アンダーカテゴリーの日本代表合宿に行くとスパイクを支給してもらえることもあったので、それを練習用スパイクに回して、やりくりしていた記憶があります。


Kohei スパイクを選ぶ上で重要視するポイントはどういった部分ですか?

小笠原 フィット感ですね。違和感なく自分の足に合っているかを重要視します。スパイクを履く上で違和感があったり、どこかに痛みが出たりするのは一番よくないですし、それでプレーに集中できなかったら本末転倒なので、心地良く足にフィットして自分の足に合うスパイクを選ぶようにしています。その点では今回の『442』は自分の足に完璧にフィットしています。その次に“スパイクの色”です。派手な色のスパイクは履きたくないです。シンプルな黒いスパイクを履いて、プレーで目立ちたいというのが自分のスタンスですね。

Kohei なるほど。やはり黒いスパイクに対するこだわりは強いですね。選手によっては「カラフルなスパイクはプレー中に間接視野で気が散るから履かない」という声も聞きますが、小笠原選手の黒スパイクに対するこだわりはどういう理由ですか?

小笠原 黒が落ち着くといいますか、普段からそうなんですけど、着ている服とか愛車とか携帯電話とか、そういうサッカー以外の私物もいつの間にか黒色を選んでしまっているので、単純に黒が好きというのもあります。最近は派手な色のスパイクがたくさん出ているので、逆に黒のスパイクが目立つんじゃないですかね。地味なようでちゃんとピッチで存在感がありますし、サポーターの方も逆に黒いスパイクの方が気になって注目してくれるんじゃないかと思います。“ボールを蹴るときにカラフルなスパイクだと間接視野で気が散る”というのは言い訳みたいな感じがするのでそれを理由にはしたくないですね。

Kohei ちなみに、今まで試合で黒色以外のスパイクを履かれたことはありますか?

小笠原 2003年のナビスコカップ決勝で白×赤のスパイクを履いたことがあります。当時契約していたメーカーの人に白いスパイクを勧められて「決勝だけなら履きますよ」と渋々OKしたら、その試合で自分は退場してしまい、チームも0-4で負けてしまったんです..。それから白いスパイクは二度と履かないって決めました。若気の至りではないですが、決勝で目立ってやろうという変な欲も心のどこかにあったんでしょうね。白いスパイクをトライしてみたら変に空回りして退場してしまって…。もちろん、退場したのは自分自身のせいで、決してスパイクのせいではありませんが、そういう苦い思い出もあって、スパイクは黒と決めている部分もあります。

Kohei そんなエピソードがあったのですね!初耳でした。もともと黒が好きでありながら、そういう苦い思い出があるとなおさら黒スパイク以外は履きたくなくなりますね。スパイクを履くときのゲン担ぎやこだわりはありますか?

小笠原 ゲン担ぎやルーティーンはまったくないです。いちいち気にしていたら疲れちゃいます(笑)。スパイクは右足から履くとか、そういうのですよね?全然ないですね。そういうのに縛られるのは好きじゃないので。ただ、スパイクの紐はユルめに締めています。強く締め付けられるのが嫌いで、他の人からすればスニーカーを履くぐらいの感じでユルめに紐を絞めてスパイクを履くのが好きです。それがちょっとしたこだわりというか、自分の細かな好みの部分かなと思います。


Kohei 今回のスパイク『442』のネーミングはイングランドの伝統的なフォーメーションの4-4-2から着想を得ています。小笠原選手が個人的に好きなフォーメーションは何ですか?

小笠原 鹿島アントラーズもずっと4-4-2のフォーメーションを採用していて、自分が鹿島に入団した20年ぐらい前からほとんどの試合を4-4-2で戦っています。Jリーグの歴史においてもここまで4-4-2をずっと採用してたくさんのタイトルを獲ってきたのは鹿島ぐらいだと思うので、自分としては今回のスパイクの『442』という名前にすごく親近感があるといいますか、本当にいいネーミングだなと思いますね。そのときの時代によって流行るフォーメーションもあったりしますけど、自分の中ではなんだかんだ言って4-4-2が一番良いフォーメーションなんじゃないかなと思っています。

Kohei 最後に、『442』はどういう中高生プレーヤーにおすすめしたいですか?

小笠原 やっぱり、フィット感や足なじみにこだわるプレーヤーにおすすめです。シンプルイズベストなスパイクが『442』だと思うので、流行りとかデザインや派手さだけでスパイクを選ぶのではなく、ちゃんと自分の足と向き合ってスパイクを選んでほしいですね。『442』はデザインやカラーに派手さはないですが、こういう武骨な感じのスパイクが好きな人もいると思いますし、汗かき役だったり、縁の下の力持ちで地味な役割だけどチームのためにプレーして、チームにいないと困る存在のプレーヤーに履いてほしいです。そうすると、『442』のイメージ的にもピッタリかなと思います。

Kohei 本日はありがとうございました!

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