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[ブラサカ日本代表合宿]1日限定参加の教員選手・黒田が一発回答!! 紅白戦の3得点で”代表当確”を猛アピール

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ドリブルで2人を一気に抜く黒田智成(右から2人目)

 ブラインドサッカー日本代表合宿は14日、千葉県内で打ち上げた。教員選手のエースFP黒田智成は13日に勤務先の八王子盲学校で仕事があったっため、14日だけの参加だったが、10分間×4本の紅白戦でハットトリック。今日にも予定される11月4日のアルゼンチン戦の日本代表発表へむけ、一発回答した。

「13日は学校の運動会がありました。生徒にとっては2年に1度の大事な行事ですし、中学2年生の担任でもある私としても、生徒にとってデメリットになるようなことはしたくなかったので、今回は仕事を優先させてもらいました」

 中学の社会科教諭である黒田は、ブラインドサッカー日本代表という「もうひとつの顔」を持てていることが、いろんな意味でプラスに働いている。

「代表として海外で試合することが多いので、それが授業で直接生かせるんです。8月に南米遠征に行ったことも授業で話しましたよ。たとえば、『機内で寝て、目が覚めてもまだ飛行機の中にいた』といった話をすれば、日本からブラジルやアルゼンチンまでの距離がどれぐらい遠いかもわかるし、地理にあまり興味のない生徒が食いついてきましたよ」

中野コーチ(左)と動きを入念に確認

 仕事を通して直面する厳しい現実も、逆に黒田の発奮材料にもなっている。

「生徒の中には中途失明の子もいます。それまでは普通に見えていたのに、突然目が見えなくなって、やむを得ず転校して来る子もいる。私は生徒に対して『世界を目標に戦っている』といった具体的な話はあまりしませんが、私の姿を通して『目が見えなくても自分の好きなスポーツはできる』ということを、身近なところで感じてもらいたいと思っているんです」

 11月4日に対戦するアルゼンチン代表とは、練習試合を含めて過去5度対戦し、日本代表が得点をあげたことがない。黒田は、歴史的初勝利に導くゴールを奪い、視覚障害と戦う人たちにも一筋の希望の光をともしたい、と強く願っている。

(取材・文 林健太郎)

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