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ブラサカ日本代表はアジア選手権・準決勝の相手が中国代表に。GK佐藤「まだこのチームは伸び代がある」

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イラン(赤のユニフォーム)に守備で網を張る日本代表(提供:日本ブラインドサッカー協会)

[10.3 グループリーグ第3戦 日本代表 0-1 イラン代表](タイ・パタヤ)

 来年の東京五輪パラリンピックの出場国を決める最終予選を兼ねたブラインドサッカーアジア選手権でグループBの日本代表は3日、第3戦でイラン代表と戦い、0-1で敗れた。またA組は中国代表がタイ代表を2-0で下し、A組1位となった。B組2位として準決勝に進む日本代表は5日、A組1位で、2018年の世界選手権(スペイン)で3位に輝いた中国代表に挑む。

 ほんのわずかな隙をつかれた。0-0で迎えた後半10分、相手に与えた敵陣からのFKを起点に攻められ、この試合前までにすでに6ゴールをあげていたBehzad Zadaliasghari Yengejehが左サイドから中央にスピードに乗ったドリブルで突進。止めにいってはいたが、体の寄せ方が中途半端になり、その時だけ、フリーでシュートを打たせてしまい、結果的に決勝ゴールとなった。2016年のリオデジャネイロパラリンピックで銀メダルに輝いたイランに意地を見せつけられ、GK佐藤大介は唇をかんだ。

「(失点前までは)パーフェクトな守備が出来たが、それに相手が対応してきた中で隙をつかれた。イランの10番の選手(この試合の得点者)が素晴らしかった。その一瞬の隙をつかれてしまうというのが、パラリンピックでメダル獲得を目指している自分たちにとって課題です。また、しっかり守っている中でも得点しなければいけないので、個の技術のさらなる向上が必要だということも改めて突きつけられた。いい試合をしても負けては意味がないので非常に悔しい」

 3月のワールドグランプリ以降、6月のトルコ遠征、7月のブラジルとの強化試合、8月のイングランド遠征と共通しているのは、「この試合に勝てばチームとして一皮むける」と思われる大事な一戦で勝ちきれないこと。しかも、敗戦につながる失点シーンは、組織的に崩されているのではなく、大柄な選手の個人技にやられている。

イングランド遠征に向かう前の合宿中、攻守の要、田中章仁も「ここぞという試合で負けてしまている。相手のエースもデカいですけど、僕だけかもしれないけど(デカい選手に対して)苦手意識がある。それを払拭したい」と明かしている。「苦手意識」という見えない敵を消し去るには、「勝利」という結果を残すことが、この上ない特効薬になるはずだ。

2009年以降、日本代表に入り、勝つ喜びから、五輪切符を逃したどん底の悔しさまで経験してきた佐藤が言う。

「(イラン戦前日は)質のいい選手ミーティングが出来て、みんなでイメージを共有しあえてチームも一つになっていた。それが出来るということはまだチームには伸び代があるということだと思うので、次につなげたい」

 泣いても笑っても残り2試合。ずっと目標に掲げてきた14年ぶりのアジア制覇まで残り2試合に勝てばいい。頂上にたどりつけば、来年のパラリンピック本番でメダル獲得に必要な「自信」を手に入る。

▼日本代表の大会スケジュール
9月30日〇5-0 オマーン
10月1日〇2-0 マレーシア
10月3日●0-1イラン
10月5日10:00 (8:00) 7位決定戦
     17:30 (15:30)イラン-タイ
    20:00 (18:00) 中国-日本
10月6日10:00 (8:00) 5位決定戦
    17:30 (15:30) 3位決定戦
    20:00 (18:00) 決勝戦
※( )の時間はタイの現地時間

▼アジア選手権過去の戦績
2005 優勝(3か国)
2007 4位(4か国)
2009 準優勝(5か国)
2011 3位(4か国)
2013 準優勝(3か国)
2015 4位(6か国)
2017 5位(6か国)

【日本代表メンバー】
GK佐藤大介(たまハッサーズ)
GK高橋太郎(ラッキーストライカーズ福岡)
FP川村怜(パペレシアル品川)
FP田中章仁(たまハッサーズ)
FP黒田智成(たまハッサーズ)
FP加藤健人(埼玉T.Wings)
FP寺西一(パペレシアル品川)
FP佐々木ロベルト泉 (パペレシアル品川)
FP佐々木康裕(松戸ウォーリアーズ)
FP園部優月(free bird mejirodai)
ガイド中川英治
監督高田敏志

(取材・文 林健太郎)

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