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[総体]京都橘撃破の東山、久御山も下して連覇王手:京都

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[6.2 全国高校総体京都府予選準決勝 東山3-2久御山 太陽が丘]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技京都府予選準決勝が2日、太陽が丘陸上競技場で行われた。昨年度の代表校、東山が久御山に3-2で勝利し、決勝へ駒を進めた。

 準々決勝で昨年度高校選手権準優勝の京都橘を2-0で撃破した東山だったが、「橘に勝ったことで気の緩みが出て、今週最初の練習内容が悪くてバチが当たった」(DF茨木伸一、3年)と低調な出だしとなり、MF田夛英照(3年)を起点にスピードのあるサイド攻撃を仕掛ける久御山に手を焼く。

 変化が生まれたのは前半半ばを過ぎた頃。「前の試合の疲労もあったので、今日は絶対に上手く行かないと思っていた。序盤はボールに向かっていけなかったが、給水後に良くなった。前半を悪いままで終わっていたら、後半も上がらなかったと思う」と福重良一監督が話したように、荒れたピッチ対策として取り組んだ、奪ってから素早く縦に入れる狙いがハマり、両サイドMFの小野功暉(3年)、田辺耀士(2年)ら前線にボールが入るようになり始めた。

 エンジンが暖まった後半からは一気にギアを全開に。後半3分にはDF福重瑛貴(2年)が前線に素早く入れたフィードから、「アイツのスピードは途中からの方がより生きる。分かっていても、止められない選手」(福重監督)という交代出場FW黒木駿志(2年)がフリーで抜け出し、落ち着いて先制点を奪う。15分にも、中央をドリブルで持ち上がったMF鎌田大地(2年)のこぼれ球をPA左から田辺が豪快に左足を降り抜きリードを広げると、直後の17分にも中央を細かいパスワークで上がった鎌田が相手DFの左裏へとスルーパス。これで抜けだしたFW坂本泰輝(2年)が冷静にゴールへ流し込み、3点目を奪った。

 この後、東山は24分にFW嶋谷淳児(3年)、26分にはMF山本蓮(1年)と途中出場したばかりの久御山の2人に連続ゴールを許したものの、「失点があったから、また気が引き締まった」(茨木)と厚みのある連続攻撃を仕掛ける相手に対して集中力を切らすことなく対応し、逃げ切り勝利。2年連続となる総体出場をかけて、決勝に挑むことになった。福重監督は「残り10分以上あって、良く辛抱したと思う。3点取って、2点取られたことで最後、守備をしっかり締めないといけないというのが分かったと思う。これは次に繋がる失点」とコメントした。

 5月初旬には主将のMF北村明信(3年)が第五中足骨を痛めてチームを離脱するアクシデントがあった。チームが崩れかけない事態だったが、絶対的な選手を失ったことによって、「昨年の『何とかなる。コイツが点とるやろ』じゃなく、『これしかない。もっと守備から入らないとあかん』という今年の狙いが、北村がいなくなったことで更にはっきりした」(福重監督)と狙いが明確になった。さらには、選手たちの意識が高まり、一戦一戦逞しさを増していった。北村に代わり、主将を務める茨木は「『総体に出れば一緒に出来る』と皆がキャプテンの事を思ってやっている。チームが一つにまとまったから、ここまでやって来られたと思う。初戦で負けた昨年の総体を越えるために決勝で絶対に勝ちたい」と話す。「主将を全国へ」その思いの強さがあれば、東山の前進は止まらないだろう。

(取材・文 森田将義)
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