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[総体]劣勢挽回した洛北、PK戦制して決勝進出!:京都

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[6.2 全国高校総体京都府予選準決勝 洛北1-1(PK9-8)立命館宇治 太陽が丘]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技京都府予選の準決勝が2日、太陽が丘陸上競技場で行われた。第2試合は1-1で突入したPK戦の末、洛北が立命館宇治に9-8で勝利し、決勝(8日)へ駒を進めた。

「立命館宇治がここまで毎試合、立ち上がりすぐに点を取っていたので、最初はセーフティーに入った」(山岡宏志監督)という洛北。警戒していた序盤を耐え凌ぎ、「毎年、ウチのストロングポイント」というサイド攻撃からゴール前に攻め込む場面を作っていく。25分には左サイドのDF高野直人(3年)の縦パスをFW中大路健(3年)が受けると、ドリブルで突破。深い位置まで切り込み、中へ入れた低いクロスをゴール前でFW弘田恭一(3年)がボレーで合わせたが、右ポストに阻まれてしまう。洛北はその後もMF榎本裕(3年)のドリブル、高野のロングスローでチャンスを作ったが、「チームのメンタル状態が良くない。シュートの気持ちが足りない」と指揮官が話したように、点に結び付けられないまま前半が終了する。

 それでも後半に入ってからは「立命館宇治はセカンドボールへの対応が早く、相手CBが跳ね返したボールを常にボランチがケアしていたので、ウチのボランチが前に出ることが出来なかった。もっと前に人数をかけて攻めた方が良い」という山岡監督の指摘を修正し、スタートダッシュに成功。左に偏りがちだった前半に比べ、中大路ら前線が身体を張ってボールを収めることで左右両サイドからバランスの良い攻め上がりを見せる。さらにボランチの伊藤寛生(3年)の鋭い攻撃で相手を脅かすシーンを増やしたが、先手を取ったのは立命館宇治だった。13分、DF大木峻平(2年)が蹴りだしたボールからFW登尾雅志(3年)が突破してゴールを破った。

 苦しい状況に追い込まれ洛北だが、チームに焦りはなかった。狙いとするサイドを使った厚みのある攻撃を繰り返すと、25分だ。ゴール前での混戦からFW水谷勇貴(3年)がシュート。GKの脇を抜けたボールは右ポストに直撃したが、セカンドボールに素早く反応した伊藤が相手DFに倒されてPK獲得。これを伊藤が自らがしっかりと決めて同点に追いついた。

 前後半各10分の延長戦でも決着はつかず、勝負の行方はPK戦に持ち越されることになった。両チーム全員が成功して迎えた9人目。先攻・立命館宇治が失敗したのに対し、洛北は高野がきっちりと成功。死闘に決着をつけた。

 苦しい中で掴んだ決勝戦の切符に対し、山岡監督は「ストレスの溜まる失点をした中で良く追いついて、勝ち切ってくれたと思う。今年のチームはこじんまりした印象。枝葉ばかりで軸になる選手はいない。こういうゲームをする中で軸になるヤツが出てくれば」とコメント。決勝の対戦相手である東山については、「個人のポテンシャルがウチとは全然違う。悪いグラウンドへの対応力、技術力はやっぱり相手は高い」と分析し、「ウチは相手と違って3年生が多いし、コイツらにも意地があるやろうし、そこに期待したい」と3年生たちに期待を寄せた。

(取材・文 森田将義)
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