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[総体]ともに全国優勝歴持つ名門対決は浦和南に軍配!2点差追いつき、延長戦制す!!:埼玉

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[6.15 全国高校総体埼玉県予選3回戦 市立浦和3-4浦和南 埼工大G]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技埼玉県予選3回戦、ともに全国優勝経験を持つ市立浦和と浦和南の名門対決は延長戦の末、浦和南が4-3で勝利。昌平と対戦する準々決勝へ進出した。

 一時2点ビハインドを背負いながらも追いつき、延長後半8分にFW武藤竜太(3年)が決勝ゴールを決める逆転劇で浦和南が8強進出だ。今年4月に新監督として同校OBで、浦和東を埼玉を代表する強豪へ育て上げた野崎正治監督が就任。新指揮官は過去20年間で全国総体出場1回のチームについて「まだまだ選手層が薄い」としながらも、この日の逆転勝利については「よく関東(大会)代表のチームに食いついた。日に日に成長していると思います」と目を細めていた。

 関東大会出場の市立浦和との戦いは前半6分にMF白畑基(3年)の右ロングスローからFW掘越竜介(3年)が決定的なヘディングシュート。そして15分にはMF豊田拓也(3年)の右クロスをGKが弾き、ポストを叩いた跳ね返りを武藤が押し込んで先制する。ただ市立浦和は16分、右中間から仕掛けたFW鍛冶光一(3年)がポスト直撃の右足シュート。そして27分、左サイドでMF冨田康平(2年)が粘り、右後方の10番MF戸嶋祥郎(3年)へつなぐと、そのクロスをファーサイドのFW水上凌(3年)が頭で合わせて同点に追いついた。

 ボールを保持しながらも局面では鍛冶や水上、FW野澤圭吾(3年)の強力FW陣らが仕掛ける市立浦和は後半2分、冨田が左サイドを個人で打開。そのラストパスをファーサイドのMF石神佑基(2年)が合わせ、最後は水上がゴールヘねじ込む。さらに8分には野澤がゴールを決めて3-1と突き放した。

 連続失点に落胆の色を隠すことができない浦和南。ただ「1点取れば分からないぞ!」というベンチの声に選手たちが応える。怪我の影響もあってベンチスタートだった10番FW稲垣達也とMF照沼莉久弥(ともに3年)の交代出場組がその技術で攻撃力を高めたことも大きかった。18分に右サイドから照沼が放った右足シュートはわずかにゴールを外れたが、23分だ。稲垣のスルーパスをPAで受けた交代出場のFW上田哲也(3年)が右足トゥーキックでゴールへねじ込み1点差。さらに白畑らがセカンドボールを支配し、運動量の落ちた市立浦和を攻め立てると28分だ。ショートパス2本で左サイドを攻略し、最後はPAへ飛び込んだ稲垣が左足シュートを決めて同点に追いついた。

 浦和南ベンチからは「楽しめ」「楽しめ」の声。その中で照沼が巧みな足技を披露すれば同じく交代出場のMF木下慎也(2年)がダイナミックな攻守を見せる。一気に試合を決めにかかる浦和南が照沼の右足FKやCB佐藤雄介(2年)のシュートで勝ち越しゴールを目指した。一方の市立浦和もアーリークロスから鍛冶らがビッグチャンスを迎える。互いに決定機を逃して延長戦へ突入したが、その後半8分に決勝ゴールが生まれる。市立浦和は右サイドから上田が頭でディフェンスラインの背後へボールを落とすと、飛び込んだ武藤が右足シュートを決めて決勝点。殊勲の武藤は「優勝を目指している。絶対に全国へ行きたい」。4年ぶりの全国まであと2勝。劇的勝利で勢いづいた浦和南が混戦の埼玉予選を突破する。

[写真]後半28分、浦和南は稲垣のゴールで同点に追いつく

(取材・文 吉田太郎)
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