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[総体]入学前から目指してきた地元V!開催県第1代表・東福岡「目標は優勝」

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 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技があす8月1日から福岡県内で行われる。大会開幕を翌日に控えた7月31日には福岡県立スポーツ科学情報センター メインアリーナで開会式が開催され、出場55チームの代表選手が高校日本一への思いを膨らませていた。

 いよいよ幕を開ける「夏の高校日本一決定戦」。注目は開催県第1代表の東福岡(福岡1)だ。今年は新人戦、総体ともに九州制覇。抜群の打開力を持つエースFW木戸皓貴、187cmの大型CB熊本雄太、攻守に献身的な動き光る10番MF松田天馬(全て3年)と3人のU-18日本代表候補を擁し、ほかにも昨年の岐阜国体少年男子の部でゴールを連発して福岡県選抜を決勝へ導いたFW中島賢星(2年)、DFキム・ヨダン、MF草野昂希(3年)ら各ポジションにタレントが揃う。伝統のオープン攻撃に加えて、今年は足元の技術の高い選手が多く、得点パターンも多彩。それだけにMF阿部敬太主将(3年)は「長所が飛び抜けている選手がいるから、みんなで引き出し合うことをしていけば、チーム全体で相手を上回れるんじゃないかと思っています。単調に大胆なサッカーをするだけではなくて、つなぐサッカーもできるチームだと思うので持っているものを出せるように。それだけです」と自信のある表情を見せた。

 地元での全国総体に懸けてきた。地の利がある。また全国高校選手権2連覇、高校3冠などの実績を持つ名門に掛けられている期待の大きさも感じている。阿部は「ここに入る前から、『高校3年になったら、地元でインターハイがある。そこで勝ちたいから』と言われたり、思って入ってきた選手もいっぱいいる。自分たちは1年目、入学前からこの大会を目指してきたというのがある。みんなの気持ちやモチベーションは相当高いです」と説明した。地元の全国総体で頂点に立つことは選手権での日本一と同じくらい重要。使命感も強く感じている。「みんなも結構緊張感持って、責任感持って、気持ちを入れてやっています。(自信は)ありますね。手応えも。目標は優勝です」と言い切った。

 この日、阿部は開会式で選手宣誓。「感謝の気持ちを込めて、正々堂々と戦うことを誓います」と全く問題なく大役を務めたが、周囲にとっては“冷や汗もの”だった。開催県第1代表の主将である阿部が選手宣誓をするという連絡が、事前に大会運営サイドからチームへ届かず。阿部は他校の多くの主力選手たちと同じように、この日は体力回復のために開会式には参加せず、寮へ戻って初戦(2回戦、8月2日)へ向けた調整をしていた。だが、開会式直前に急遽連絡が入り、会場に駆けつけることに。それでもわずか5分間ほどで宣言文を考え、開会式では難なく難題をクリアした。開会式後に森重潤也監督や大会関係者から「良くやった」「ありがとう」と声を掛けられていた阿部。地元期待の“赤い彗星”の主将は、本番前から冷静にピンチをクリアした。周囲からの大きなプレッシャーの中で戦う全国舞台でも、突発的なピンチや思うような展開に持ち込むことができない時間帯があるかもしれない。だが集中して、冷静に自分たちの力を発揮して、目の前の白星を勝ち取るだけ。3年間思いを持って取り組んできた地元での日本一獲得に東福岡イレブンが挑戦する。
 
(取材・文 吉田太郎)
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