最悪の入りも…練習していたリバウンド狙う形のゴールも出て4発逆転!都立駒場が東京2次予選進出王手!
[5.21 全国高校総体東京都予選1次予選2回戦 本郷高 1-4 駒場高 駒沢第2]
平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)東京都予選は21日、1次予選2回戦を行い、都立勢の強豪・駒場高が古豪・本郷高に4-1で逆転勝ち。成立学園高と対戦する1次予選決勝(27日)へ進出した。
駒場は試合の入りが非常に悪かった。ウォーミングアップのシュート練習で全然シュートが決まらず、悪い流れを引きずったまま試合を迎えると、前半開始わずか2分に失点。空中戦で競り負けると、カバーリングが遅れ、本郷FW藤本吹樹(3年)に先制ゴールを決められてしまう。
駒場の選手たちは本郷が想定していたよりも前に出てきたことに戸惑い、なかなかリズムを掴むことができない。ベンチの山下正人監督からは再三落ち着いてボールを繋ぐように声がけされていたが、慌ててロングボールを蹴り込んで、本郷のCB小田秀成(3年)らに跳ね返されてしまうようなシーンが続いた。
また、本郷は大型FW西牟田冴(3年)が前線で良くボールを収め、スピードある藤本との2トップが健闘。少ない人数の攻撃でもシュートやクロスまで持ち込んでいた。だが、駒場もビハインドを負っているという悲壮感は感じさせず、高いキープ力を持つ10番FW奥谷友哉(3年)と推進力あるFW村田明飛(3年)の2トップを中心とした攻撃によって決定機を作り出す。
そして20分、奥谷の右CKをCB高木晴主将(3年)が相手DFよりも一つ上の高さからヘディングシュートを叩き込んで同点に追いついた。さらに39分には右オープンスペースを突いた村田の折り返しを奥谷が1タッチでゴールへ押し込んで逆転。本郷も直後にMF伊藤隆誠(3年)のスルーパスで抜け出した藤本がゴールネットを揺らして会場を沸かせたが、オフサイドの判定によって同点ゴールとはならなかった。
後半はキャッチングが安定していた駒場GK藤本和輝(3年)と好守を連発した本郷GK田家修行(3年)の両GKの奮闘によって締まった展開に。その中で、2年生レフティーの左MF菊池陽(2年)や交代出場の右FW石川一希(2年)が攻撃を活性化していた駒場が追加点を奪う。
29分、右サイドを抜け出した奥谷の折り返しを石川がシュート。そのこぼれを石川が自ら左足で押し込んで3-1とした。さらに39分にも石川のシュートのこぼれ球をMF柴田遼空(3年)が右足でゴール。山下監督はゴール前の攻防戦で相手を上回るために「(人数をかけて守られて)ゴール前でシュートを2回、3回止められてもリバウンドのところを、と言っていた」と説明していたが、その言葉通りに駒場はゴール前のリバウンドを2つのゴールに結びつけて勝利を決定づけた。
“都立の雄”駒場は10年度に夏冬の全国大会出場。選手たちの目標も私学勢を破っての全国大会出場だ。現役選手たちが嫌々やっていたような厳しいフィジカルメニューでも当時の選手たちは「あと1本!というモチベーションでやっていたと聞いて全然気持ちが違うなと」(高木)。だからこそ、この日の逆転勝ちにも高木は「まだまだ甘いです。現状に満足していたら何も伸びないと思う」と厳しかった。
「良い経験になったんじゃないかな」と山下監督が語ったように、トーナメント戦の厳しさ、試合の入りの大切さを再確認した選手たち。高木は「きょうの試合は入りがとにかく悪くて、そこはこの一週間で練習の入りをしっかり声出して引き締めてやっていくというのを意識してやっていく。個人個人がもっとしっかりして、試合に出ている人だけでなくて、全員でひとつになれば、絶対に強いチームになると思うのでやっていきたい」と誓った。個性ある選手も複数いて、混戦模様の東京を勝ち抜くチャンスはあるだけに、駒場は甘さを少しでも取り除いて2次予選進出を懸けた一戦に臨む。
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017
平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)東京都予選は21日、1次予選2回戦を行い、都立勢の強豪・駒場高が古豪・本郷高に4-1で逆転勝ち。成立学園高と対戦する1次予選決勝(27日)へ進出した。
駒場は試合の入りが非常に悪かった。ウォーミングアップのシュート練習で全然シュートが決まらず、悪い流れを引きずったまま試合を迎えると、前半開始わずか2分に失点。空中戦で競り負けると、カバーリングが遅れ、本郷FW藤本吹樹(3年)に先制ゴールを決められてしまう。
駒場の選手たちは本郷が想定していたよりも前に出てきたことに戸惑い、なかなかリズムを掴むことができない。ベンチの山下正人監督からは再三落ち着いてボールを繋ぐように声がけされていたが、慌ててロングボールを蹴り込んで、本郷のCB小田秀成(3年)らに跳ね返されてしまうようなシーンが続いた。
また、本郷は大型FW西牟田冴(3年)が前線で良くボールを収め、スピードある藤本との2トップが健闘。少ない人数の攻撃でもシュートやクロスまで持ち込んでいた。だが、駒場もビハインドを負っているという悲壮感は感じさせず、高いキープ力を持つ10番FW奥谷友哉(3年)と推進力あるFW村田明飛(3年)の2トップを中心とした攻撃によって決定機を作り出す。
そして20分、奥谷の右CKをCB高木晴主将(3年)が相手DFよりも一つ上の高さからヘディングシュートを叩き込んで同点に追いついた。さらに39分には右オープンスペースを突いた村田の折り返しを奥谷が1タッチでゴールへ押し込んで逆転。本郷も直後にMF伊藤隆誠(3年)のスルーパスで抜け出した藤本がゴールネットを揺らして会場を沸かせたが、オフサイドの判定によって同点ゴールとはならなかった。
後半はキャッチングが安定していた駒場GK藤本和輝(3年)と好守を連発した本郷GK田家修行(3年)の両GKの奮闘によって締まった展開に。その中で、2年生レフティーの左MF菊池陽(2年)や交代出場の右FW石川一希(2年)が攻撃を活性化していた駒場が追加点を奪う。
29分、右サイドを抜け出した奥谷の折り返しを石川がシュート。そのこぼれを石川が自ら左足で押し込んで3-1とした。さらに39分にも石川のシュートのこぼれ球をMF柴田遼空(3年)が右足でゴール。山下監督はゴール前の攻防戦で相手を上回るために「(人数をかけて守られて)ゴール前でシュートを2回、3回止められてもリバウンドのところを、と言っていた」と説明していたが、その言葉通りに駒場はゴール前のリバウンドを2つのゴールに結びつけて勝利を決定づけた。
“都立の雄”駒場は10年度に夏冬の全国大会出場。選手たちの目標も私学勢を破っての全国大会出場だ。現役選手たちが嫌々やっていたような厳しいフィジカルメニューでも当時の選手たちは「あと1本!というモチベーションでやっていたと聞いて全然気持ちが違うなと」(高木)。だからこそ、この日の逆転勝ちにも高木は「まだまだ甘いです。現状に満足していたら何も伸びないと思う」と厳しかった。
「良い経験になったんじゃないかな」と山下監督が語ったように、トーナメント戦の厳しさ、試合の入りの大切さを再確認した選手たち。高木は「きょうの試合は入りがとにかく悪くて、そこはこの一週間で練習の入りをしっかり声出して引き締めてやっていくというのを意識してやっていく。個人個人がもっとしっかりして、試合に出ている人だけでなくて、全員でひとつになれば、絶対に強いチームになると思うのでやっていきたい」と誓った。個性ある選手も複数いて、混戦模様の東京を勝ち抜くチャンスはあるだけに、駒場は甘さを少しでも取り除いて2次予選進出を懸けた一戦に臨む。
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017